イベント部屋 | ナノ



「あ、荒木さんチョココロネ食べてる」
「ギクッ! 別にいーだろうが王様のオレが何食べよーが!」


旧部室に置いてきてしまった忘れ物を取りに旧部室に行けば荒木さんがチョココロネを馬鹿食いしてました。せっかく痩せたばっかりなのにまた奈々ちゃんにお菓子捨てられたいのかこの人は…!
しかも逆ギレ。まあ荒木さんだから許しちゃうんだけど。


「あ、そうだなまえ。コレやるよ」
「え?荒木さんのチョココロネ?いいんですか?」


ぱっと手渡されたは荒木さん大好きチョココロネ。普段なら絶対自分から手渡したりなんてしない人から貰うと何か裏があるのでは、なんて考えてしまうのが私の悪い癖だと思う。
手渡された袋入りのチョココロネと荒木さんを交互に見れば早く食べろよ、と荒木さんが不思議そうな顔をする。


「な、どうしちゃったんですか荒木さん一体…。普段死んでも自分から手放す様な事しない人がいきなり…!」
「るへー、黙って食ってろ。オレ的には一応ホワイトデーのお返しのつもりなんだよ」


聞けばこのチョココロネは荒木さんのお気に入りらしい。まあね、荒木さん私のサッカー部の部員さんにあげる分のお菓子とチョコ、全部食べちゃったからなあ…。まああの時は鼻血出して倒れちゃったんだけど!
荒木さんの隣に腰かければコーラまで隣に置かれた。よく気持ち悪くならないな荒木さん…。


「あ、ほんとだ美味しい」
「だろっ?オレ様イチオシなだけあってそこらへんのチョココロネとは格が違うんだよ」


口の端にチョコを付けて嬉しそうに話す荒木さんにまた鼻血が吹き出しそうになったけどそこはこらえて…!
一気に飲み物を飲み干せばそれはコーラ。勿論私はむせかえる他ない。


「…ぶはっ!っにやってんだよなまえー」
「ゲフッ、ゲホッ!だ、だって…!まさかコーラだとは…!」


思わないでしょ!?が言えずにまたげほげほと咳き込む。ゲラゲラ笑い転げる荒木さんを後目に私はむせて声が出せない。
ようやく咳が収まれば、今度は笑いすぎで荒木さんがむせていた。


「でも荒木さんにチョココロネ貰えたからいっかあ」
「ま、オレのチョココロネだしな」
「あんなにあの日も食べたのにどや顔しないでください」


もう、可愛いんだから、とは言わずに旧部室を出て部員の皆にその辺で買ったクッキーをやっつけておいた。
今日がホワイトデーだとかこれ日記に書いたら誰も気付かないな、うん。





―――

荒木さんとチョココロネ




12.03.19



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