「はいっ、拓人!」
「なまえ先輩、これはもしかして…」
「もちろん手作りバレンタインチョコでございます!」
ふっふっふ、なまえさん頑張ったぞ、チョコケーキだぞ!そりゃ拓人のお家で出てくるのよりは全く劣るけど、一口だけでも食べて欲しい。拓人なら絶対嫌な顔ひとつせずに食べてくれる筈!
「食べて、くれるよね?」
「食べない筈ないでしょう!せっかくなまえ先輩が作ってきてくれたんですし…」
癒し系な笑顔を向けて拓人は私のチョコケーキを一口食べる。きっと拓人だからたとえまずくても美味しいと笑ってくれる筈。だけどあえて聞いてみる。
「ねぇ拓人、美味しい?」
「ええもちろん!なまえさんの手作り美味しいですよ」
ヤバいよ拓人アンタ可愛すぎるよ!なまえさんを萌え死にさせる気ですか!
みょうじなまえ(15)故人、とか嫌だからね!?
「俺、練習してきます。なまえさんも見ててくださいね」
口の端にチョコを付けて行ってしまう拓人が蘭丸君に「色ボケが!」と殴られてたのは見なかった事にしよう。
―――
口の端にチョコ付けた拓人が見たかったんです
12.02.16
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