「荒木さん…」
「何だよ?」
「何勝手に食べてんですか」
「お前のチョコだよ」
「いやそうじゃなく…」
怒られるの私なんですけどー、なんて言いつつ惚れた弱みかチョコを(少々無理矢理だったが)受け取ってもらえたのが嬉しい。うん、好きだ。
「あ、こっちも美味い」
「私のカバン漁らないでください!?」
根こそぎ奪われるサッカー部の皆へのチョコ。トリュフやら棒チョコやら板チョコやら作ってきた自分が馬鹿みたいじゃないかと思いながらもにやけは止まらない。大好きです荒木さんんんっ!
「なまえ、鼻血」
「はっ!こ、これは荒木さんが格好いいからで…!」
「もうわかったから」
ありがとな、と微笑まれればもうノックアウト。もういいや、皆の分なんて!
「もう荒木さんに本命渡せただけでも満足、幸せ…!」
「やっすいな…」
―――
何がしたかったって何だろう
12.02.15
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