イベント部屋 | ナノ



「海道君、私海道君に言いたい事があるの」
「え…っ、な、何かお話かいなまえさん?」


その時僕は地味な痛みを感じた。一体僕は何をされたんだろうか。


「節分しよう」


…節分、だと?ちょっと待ってくれ今日は確か聖バレンタインデーだろう?アミさんから友チョコだとチョコレートを貰い、なまえさんからも貰えるのではなかろうかと密かながら期待していた僕のドキドキはどうなるんだ。僕のワクワクやドキドキを返せ!
…ああいや違った。僕はこんなモノローグを流したかった訳じゃない。とりあえずさっき彼女が投げてきたのは豆だ。僕の部屋のそこらに落ちてる。しかも彼女はご丁寧に鬼の面まで持ってきた。君は僕の家に何しに来てるんだい?


「…節分なら過ぎたはずだろう」
「旧暦ではまだよ」
「旧暦では先すぎるんじゃないか?」


忘れてたの、素直にそう言った彼女は苦笑いをした。苦笑したいのはこっちだ。そして君は七夕の時も僕の家に侵入してきたな?一体何なんだ本当に。
だけど彼女が嫌いになれず、追い出せない僕がいる。友達になりたい、初夏のあの日にそう思ってそう願い事をした。因みに今年の始めも新年そうそうやって来て羽根つきだ福笑いだすごろくだをやって帰っていった。すごろくは人生ゲームだったが。


「…ハァ。君は日本の伝統を大事にしているみたいだね」
「うん。恵方巻きない?」
「君は本当に図々しいね」


とりあえずじいに鬼の面を被せ、豆を投げておいた。じいがかなりはしゃいでいて固まった。そしてわざわざ家のシェフが作った恵方巻きをかじり、僕のバレンタインは幕を閉じそうだった、が。なまえさんが笑顔でくれたのだ。僕にチョコレートを。ああ、やっと貰えた。いや別に僕は待っていた訳ではないけども。





―――

大丈夫です、恵方巻きはチョコレートじゃなかったのでノーカンです




12.02.01



戻る



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -