イベント部屋 | ナノ



今日の夜はクリスマスパーティーが開かれる。M様がそんな事を言っていたと思う。勿論私は出るつもりだ。予定なんてない、そんな一人者にはぴったりのイベントだと思う。いつもポップンパーティーに出ている服装で構わないんだとか。じゃあ衣装どれにしよう?きっとM様はまたオシャレに決めているんだろうけど。私の衣装なんて少ないものだ。とりあえず赤か緑だな、うん。


「メリークリスマス!」
「メリクリ!」


皆が楽しそうにクリスマスを祝っている。お、ニャミちゃんとタイマーは欠席かあ。ミミちゃんとMZD様で司会を努めてる。パーティーにはやはり大勢集まっていて。ポップンパーティー常連の面々もそこらで見る。


「よっ、来てくれたのか」
「まあ…予定もないんで」


グラスを持ったM様が私に声をかけてきた。私もお祭りごとは嫌いじゃない。むしろ好きだ。じゃなきゃ来てないか…。そしてこのM様のことも好き、だ。


「嬉しいぜ、オレ様のパーティーに来てくれるなんてよ」
「参加者は多い方がいいですもんね」
「そりゃそうだけどよ…、もっとあんだろーが色々ー」


お前じゃなきゃいけない理由とかー、と言ってブーブー言うM様にクスリと笑って、パーティーの後です、と口に人差し指。


「何だよおあずけかよ。やっと聞けると思ったのによ」
「今はパーティーを楽しみましょ?」
「んー、やだ。オレ様は今すぐ聞きてぇ。ホラこっち来る!」


ああご馳走が遠ざかってく。ぐいぐいと引っ張られて、気づけばM様の特等席へ。司会席より更に偉い神様専用の席。M様は特別扱い好きだものね…。


「ここなら誰も聞かねぇよ、ホラ言ってみ?」
「え…」


そう、私はクリスマスの夜返事を聞かせてもらいたいとM様に告白をうけていた。勿論OKしたい。けどまだ心のどこかで迷っている。だからうまく言えないのだけど…。


「その…、」
「いいんだぜ、断っちまってもよ?」
「で、でも、」
「確かにオレはなまえが好きだ。だけどムリヤリなまえとそんな関係になったって、オレ様は嬉しくも何ともないんだぜ。神だからって近寄ってきた女みたいにしたくない、なまえを」


だから決めちまってくれ、と頭をかくM様をじっと見つめた。もう決まっていたんだ、私の答えは。どうして迷ったりだなんてしたんだろう、馬鹿だな。M様に笑いかけ、私は言う。


「私も、M様が好きです」
「〜〜〜っしゃあ!よし、報告しよう、すぐしよう」
「やーっ!やめてくださいM様っ」


マイクを持つM様を何とか止めようと焦る。けどM様は止まってくれそうにない。カチリとマイクのスイッチを入れてM様が口を開く。


「お前らー!とりあえずクリスマスパーティー、楽しんでけよー!んで、ここで重要なお知らせー。なまえを狙ってたヤツら!お前ら全員失恋決定だから。今日からなまえはオレの彼女だっ!」


M様はこちらを見てる大勢の前で私にキスをする。私は目を見開くしかないし、周りから囃し立てる声とブーイングが聞こえる。


「リア充爆発しろー!」
「つかMZD死ね!」

「ヒューヒュー、熱いねー!」
「幸せにね、なまえちゃん!」


…とても両極端。


「何だよお前ら!オレの事嫌い!?」
「嫌い」
「どうでもいい」
「めんどくさい」
「うっとうしい」
「グレてやるっ!」
「まあまあM様落ち着いて…。きっと皆さんなりの照れ隠しですよ。何だかんだこうやって皆さん、集まってくださってるんですから。ね?」


現に私も、MZD神様が大好きですっ、と告げると黙り込むM様。


「なまえに免じて、今日はホワイトクリスマスにしまーす。オレ様となまえに感謝しやがれ!」


オレ様からのささやかなクリプレだよクリプレ、とM様は笑って。


「なまえ、パーティーの後残ってろよ?」


なんて耳元で囁かれた。こくりと一回うなずけばM様はまた満足そうに笑ってた。





―――

M様のクリスマスパーティーはSecond Heavenが流れてそうです




11.12.21


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