新たなものが生まれ、新たなものが死んでいく…
それがこの世界での常だ、私がそう呟いた時にいつの間にやら現れた彼がそれは違うと首を振った。寂しいこと言いやがる、どこか悲しげに私の頭を撫でたM様は手つきと同じ優しさで、私に語りかける。
「死ぬってのは、オマエらが思うほど簡単なコトじゃない」
「でも、間違っては…」
「まあな。でもよなまえ、そうしたら何が生きてて、何が死んでんのかわかんねぇって」
音は生きてて、楽譜は死んでる?
私には理解しきれない難しいことを言うM様に答える言葉を私は持っていない。オマエは死んでも生きてるから安心しろよ、M様の笑顔はどこまでも不思議で、訳がわからなくなる。
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生命は難しい
13.03.12
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