ポケモン | ナノ


グラジオさんは肌が白い。私なんかより、ずっと。
黒の服に身を包んで、でも開けてるところは開けていて。黒を基調とするものだから、その白さが却って際立って。


「…グラジオさん、これどうぞ」


よくよく見ると、とても気になる箇所がある。まあ、言わずもがな、かもしれないけれど。


「…日焼け止め?」


その鎖骨の辺りが気になるんです、グラジオさん!
叫びそうなのをこらえて、アローラのサンサン日差しを日傘で遮る。


「グラジオさん、肌白いから。赤くなっちゃわないか、地味に気になるんです」
「…気にしてくれてるのか」
「なんか、日に弱そうなイメージ…です」


私に渡された日焼け止めを持って、困惑の色を見せるグラジオさん。私の方をチラチラ見て、使っていいものか否か悩んでいるようだ。私が渡したんだから構わないのに。


「…オレよりも、ナマエが使うべきだろう」


まさかのご丁寧に左手を顔に当てながら返された。こっちの方がどうしていいか困惑だ。
ひとまず受け取ると、グラジオさんが満足そうに笑う。ついでに左手も下ろした。


「そういうのはオレじゃなく、お前が使うべきだ」


今度は右手を上げて、私のほっぺに触れられた。少し、触れられてる場所が熱い気がする。


「ナマエだって、白いだろう」


そんなことないと否定したいのに、なんだか沸騰してしまったように口がぱくぱく、動かない。


「それに、ナマエも赤くなってるぞ」


日にやられたんじゃないかとか真面目な顔で言ってらっしゃいますがグラジオさん、あなたが綺麗に笑うからです。未だ触れている手から熱が止まらない。気候にもだいぶ慣れてきたのに、なんだかのぼせてしまいそうだ。


「…そうですね、おとなしく私が使います」
「じゃあ、その後オレにも頼む」


えっ、と声を出す前にグラジオさんが笑顔を見せる。彼にそのつもりはないんだろうけど、それはずるい。
っていうかその言い方、私がグラジオさんに塗るみたいな…?
グラジオさんはクスクス笑うだけで、何も答えてはくれなかった。





―――

アニメグラジオさんの鎖骨が焼けないのかめちゃくちゃ気になってしまいました




17.05.18



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