2022/01/16 11:56
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「よかった、みつかったのね!」
「ああ、またせてすまない」
突然みつけたなんてうでをつかまれて、つれてこられたのはカロスのジムリーダー兼、写真家のお姉さん、ビオラさんのところで。
今年もよろしくね、なんてにこやかにいう彼女によろしくお願いしますと頭を下げた。
「じゃあさっそく! 2人ともならんで、ならんで!」
カメラをしっかり胸元で待機させているところから、彼女がこれからやろうとしていることに見当はついた。だが突然のことに対応できないでいると、デンジさんが肩をぐっと引き寄せてきた。
「はーい、笑って! はい、チーズ!」
ビオラさんのかけ声とともにシャッター音がきこえてきて、自分が写真におさまってしまった事実が伝えられた。きっとあの立派なカメラにわたしのぎこちない笑顔が記録されてしまったのだろうと思うと新年早々複雑な気持ちなのだけど。
「せっかく新年にふさわしい格好をしたから、おまえとも写真に残したくてな」
晴れやかな格好をした彼は、これまた晴れやかな表情で満足そうにしていた。去年に引き続き傍若無人なところがあるけれど、これでいいかと許せてしまうところが彼の魅力のなせるワザ、なのかもしれない。
「ふふ、どうしてもって呼び止められちゃって。でも、とってもすてきな写真が撮れて大満足よ! 写真、現像したら教えるから!」
シャッターチャンスものの笑顔をみせて、ビオラさんは足どり軽くいってしまった。
後日デンジさんから渡された写真は案外きれいに撮れていて、ビオラさんの腕をあらためて思い知った。
―――
ビオラさんにお写真撮られたかった