2021/02/22 23:48
「私のジムに来てまで何故エネコと戯れるのかな、君は」
そう言いながらもミクリさんは私を邪険に扱う顔なんて全くしていなくて。わたしの足元を走り回るエネコを抱き上げて、彼に突き出しても小首を傾げるだけで、鬱陶しそうになんてしていない。
「ネコの日だから、ミクリさんにもネコ成分おすそ分けです!」
「エネコ、か……」
わたしのエネコとじっと目を合わせたかと思うと、ミクリさんはエネコを抱き上げて床に放してしまった。そしてポンポンとわたしの頭を軽く叩いて、まるでそこに耳があるかのように撫でてくる。
「エネコもいいが、君が私にネコ成分をくれてもいいんだよ?」
エネコは好き勝手走り回って氷の床を滑って目を回しているけれど、わたしは恥ずかしいことをさせられそうになっている気がする。ネコの苦手なみずの使い手のところにきちゃったのは失敗だったかなぁ。
―――
みずタイプのネコって出て来ませんね