あずつき



握った手が暖かい。先輩の体温が僕に、僕の体温が先輩に。
「淋しい…な」
「そうですね」
ふと顔を上げると地下室から見える窓の外では桜が散っているのが見えた。
「同じ学年だったら、なんて僕は言いませんよ」
だけど、繋いだ指先が震えているのに先輩は気がついてる。
「淋しいね」
僕はもう答えなかった

/梓月「早朝の地下室」「手を繋ぐ」「桜」#
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -