蘇玄小話



「蘇芳って子どもですよね」
 こんな風に、気を引こうとして、と先程までの行動を示唆した。
 子どもの前で何をしているの、という言葉の前に口をついて出たのはこれだった。
 やや不満をぶつけるように溢す。こんなことを言う自身の方がよっぽど子どもだ、と気がついたのがそれから随分として、蘇芳と穏やかな時間を過ごしているときだ。蘇芳は意地悪そうに笑ってから言った。
「玄奘、子どもともこんなことをする訳?」
 ああ言えばこういう、という物で。
「……そうですね、こんな風に揚げ足を取るのが上手い子どもはそうはいませんよね」
 せいぜいが、子どもにはこんなことはしませんだとか、こんなことってと赤面するくらいだと予想していたのに。そう返ってくるとは思わなかった、と蘇芳は複雑な顔をした。ふふんと蘇芳から反らして思う。
 ざまみろ!
 あとが怖いから言わないけれど。
 なんて思っていたのに。
「オレの想像を飛び越えちゃう玄奘のそう言うとこも好きだよ」
 きっ、と表情を作り満面の笑みを浮かべる蘇芳に、玄奘は言葉を失った。眸に混じる意思を見つけて俯く。
 いつだって気がつけば蘇芳の掌の中だ。その事実をほんの少しだけ悔しく思いながらも、蘇芳だから仕方ないと思う部分もあり。
「そんな蘇芳が好きな私も大概ですけどね」
 事実をついと口にした玄奘を見て、蘇芳は突っ伏す。さらりと髪が落ちて見えた耳が赤いことには言及しないでおくことにした。






 蘇玄原稿ぽちぽちしてたら浮かんだけど、蘇芳ってこんなに子どもっぽくないしかたくなでもないよねーということでボツに



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