そういえば、今思いだしたんだけど。


 幼なじみの浩平は読んでいた雑誌から顔をあげ、ぽつりと言った。


「今日ってクリスマスじゃないっけ?」



 無言の僕。



「え、何で無言。何で男二人で家でゴロゴロしてんのさ」

「浩平……。僕はクリスマスなんて知らないな。あはは。なに? クリスマスって美味しいの? だよ」



 無言の浩平。



「あ、俺もなに言ってんだろう……。クリスマスってなんだっけ? 多分美味しいやつだったよな。うん」

「そうか、美味しいのか。浩平ー、僕急に甘いもの食べたくなってきたわ。今からケーキでもつくろうかー」

「そうだねー。俺も甘いのが食べたったんだよー。作ろう作ろう」






 ふわふわひらひらと舞い落ちる綺麗な雪さえも今は何故か憎たらしく思えた。

 何故かね。







「あー……ケーキうめぇ。クリスマス最高」
 若干浩平の目に何かが溜まっていたのは気にしないことにしようと思う。











(091125)
ふ ざ け す ぎ た 。


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -