時速三,九キロのメロス



 
 今年二月、衝撃的な知らせが日本全国を駆け巡った。
 「メロスは走っていなかった」

 寒さ厳しい冬の季節に、太宰治の「走れメロス」に登場するメロスの走る速さが、まさか中学二年生の少年によって算出されるとは、誰も考え付かなかっただろう。
 その時速、三,九キロ。
成人男性の平均時速は九キロなのだそうだから、とてつもなく遅い。
 私はその速度に耳を疑った。
何故なら

 私がランニングマシーン使って必死こいて走っている時速と同じだったのだ!

 元々運動音痴なのはわかっていたが、まさか走る速さが、ここまでとは…。

 それを知ったあと、ランニング速度を若干あげて、その速さについていけず、ランニングマシーンからずり落ちたのでした。




無料冊子「ふりぃ」にて掲載
第十八回文学フリマにて配布しました。


モドル


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