・不定期更新、未完、短め、何でもありな小ネタになります。
・とりあえず黒子総受け。



1026 Sun 20:24
濃い霧に覆われた森の奥深くに、その村は在った。
赤司が足を踏み入れた時はまだ昼過ぎで、それなのに通りに人影はほとんどなく、粉ひき小屋の風車だけが機械的に動き続けている。
長い間ずっと都会で生きてきた赤司にとっては、それだけで珍しい、というより、違和感を覚える光景だった。
「……こ、これはこれは神父様。こんな辺鄙な村にようこそいらっしゃいました」
流石に無人ということはなく、村の中心部に向かうと村人に出会うことができた。
旅の途中の神父だと名乗った赤司を招いたのは、初老の男だ。この村の長らしいが、引き攣った愛想笑いからは、歓迎の意図は読み取れない。
神に仕える身分への態度としては不自然極まりないものだったが、赤司にはその理由が分かっていた。
「……この村に魔女が住み着いていると、噂を聞きました」
駆け引きをするような相手ではないと、赤司はあっさり自分がこの場所にいる理由を明かしてみせた。途端、男は面白いほどの動揺を見せる。
「そ、それは……そんな噂など、いい加減なことで、わ、我々は……っ」
何とか誤魔化そうとしているらしいが、全く要領を得ない。
いい加減うんざりしていた赤司が、牽制のつもりでほんの少し目を細めてみせると、それだけで黙り込んでしまった。一体、何にここまで怯えているのだろう。
「……オレは別に、貴方たちを裁きに来たわけではありません。いや、むしろ、貴方たちを救いに来たと言っていい」
だから、その“魔女”に会わせて欲しいと告げると、相変わらず挙動不審な様子を見せながらも、男は小さく頷いた。





男に連れられやってきたのは、村はずれの大きな廃屋だった。
すっかり荒れ果てているが、屋根に十字架がある所を見ると、元は教会だったのだろう。
「……これから目にすることに驚かれるかと思いますが、村人に罪はないことだけは、どうかご理解ください」
教会の奥を目指す男の、背中越しの言葉に、赤司は訝し気に眉を寄せた。
「……それは、」
それはどういう事かと尋ねようとしたが、その必要はなかった。
ふいに聞こえてきた、悲鳴――いや、嬌声と、目の前の光景に、流石の赤司も目を見開いた。
「ぁ、ぁ、あぁ…っ!」
窓に板が打ち付けられているせいか、ひどく薄暗いが、どうやら寝室として使われているらしい部屋。ベッドの上に横たわり、下半身を露出させた中年男の上に、全裸の少年がまたがっている。
勿論、ただ乗っかっているわけではない。少年はその体に、男の性器を咥えこんでいた。
扉を開けて中を覗き込む人間がいることに気付いていないのか、それともどうでもいいのか、少年も男も、赤司たちを振り返ろうともしなかった。
「ぁん、ぁ、あぁ…っ」
デップリ肥えた男の腹に手をつき、淫らにその細い腰を動かし、少年は甘く鳴く。
「……うぅ…」
「え、ぁ、ひぁ……!」
少年の体が己の上で跳ねる度、低い呻き声をあげていた男だったが、ついに我慢の限界を迎えたのだろう。ふいに体を起こしたかと思うと、そのままの勢いで、少年をベッドに押し倒した。突然体位を変えられ、高い悲鳴をあげながら、それでも少年は相手の為すがままだ。
「あぁ、黒子!」
黒子、それが少年の名なのだろう。熱に魘されたように何度もその名を口にしながら、男は激しく腰を振った。
「ひ、あっ、あっ、ん、ひあぁ!」
「……くろ、こ……っ!」
「ひぃ……!」
やがて、男は黒子の中に欲望を吐き出した。
二度三度と何度も腰を前後させながら、全てを注ぎこむ。
「……ぁ、ぅ……っ」
ようやく男が身を離すと、体内から粘つく白濁液がトロリと流れ出し、その感触に黒子はブルリと身を震わせた。
だが、まだ終わったわけではなかった。
「さぁ、次はこっちだ」
息が整う間もなく黒子の腕を引いたのは、先ほどとは別の男だった。
震える体を今度はうつ伏せにすると、腰を抱え上げる。
「……それとも、もうやめとくかい?」
「……ゃ、もっと、ほし……もっと、いっぱい、めちゃくちゃに……ひぁ!」
最後まで聞くことなく、硬くそそり立った性器が再び黒子の中に埋め込まれた。
先ほどの男のモノが中でかき混ぜられる卑猥な水音が、部屋を満たす。
それに煽られたのか、また新しい男が、黒子に手を伸ばした。
「……本当にお前はコレが好きだな。ほら、こっちの口にも欲しくなってきたんじゃねーか?」
「……は、い……っ」
促されるまま、眼前に突きつけられた怒張を、黒子は咥えこんだ。しかしその小さな口では含み切れず、その代わりとばかりに舌と片手を使って、必死に奉仕する。
「……っ、ほんと、黒子くんは欲張りだねぇ。ほら、好きなだけ喰えよ!」
黒子の空色の髪を乱暴に掴み、男は自ら腰を使う。
「ん、ぅ…っ!」
無理やり喉の奥まで犯され、苦しげに涙を流しながらも、黒子は逃げるそぶりすら見せなかった。それどころか、更なる快楽を得ようとでもするかのように、後ろから突いてくる男の動きに合わせて、その細腰を揺らしている。
「……ぁ、ん、や、も、ダメぇ……!」
唾液の糸を引きながら唇が男の性器から離れたかと思うと、黒子の体がガクリと落ちた。
男の手が腰だけを抱いたままなので、発情した雌ネコのような、ひどく扇情的な体勢になる。
「……何が、ダメだって?」
「ぁっ、も、やぁ……!」
「嫌じゃねぇだろ?ほら、気持ちいいんだろーが!」
「……ぁ、きもち、いい……っ」
「もっと、だろ?」
「も、っと……ひぁ、ぁん、あぁぁ!」
ギシギシと、粗末な造りのベッドが男の動きに合わせて軋む。
背後から腕を引かれた黒子は、乱暴に突き上げられながら、髪を乱して泣き叫んだ。
「ぁ、ぁ、ぁ!ぁんっ、いっちゃ、も、いく……っ」
「いけよ!男咥えていっちまえ、この淫売……魔女め!」
「あぅ、やぁ、だめっ、も、やぁ、ああああぁぁ……っ!」
大きく背をしならせ、高く鳴きながら、黒子はついに絶頂を迎えた。
大して量も勢いもなかったが、まだ子供のような性器が吐き出したモノが、シーツを濡らす。
「……は…ぁ……っ、ひぃ!?」
完全にベッドに突っ伏した黒子は、荒い息を吐きながら、引き攣った悲鳴をあげた。
黒子の中では、未だ男の欲望が熱く脈打っている。
彼だけではない、薄暗い部屋の中には、他に何人もの男たちがいた。
「……もう満足か?今日は、ここいらでやめとくかい?」
そう黒子の耳元で囁きながらも、男は腰の動きを止めようとはしなかった。
己の痴態に煽られた男たちが、ズボンの形を変えるほどの昂りを覚えていることも、黒子には分かっていた。
「……や、まだ、足りな……もっと……っ」
震える腕で身を起こした黒子は、一番近くにいた男の首に腕を回すと、欲望で緩んだぶ厚い唇に舌を差し入れた。
すぐに後頭部を手で押さえられ、やりたい放題、口内を舐めしゃぶられる。
「……ぁ、う……っ」
強く引かれた手には、不快な濡れた熱い塊。
尻を、口内を、手までを使って男たちに奉仕しながら、黒子は与えられる快楽のまま、喘ぎ続けた。





「……アレは、彼は、一体……」
目の前の狂宴に飲まれていた赤司は、そこでようやく言葉を発することができた。
軽く首を振りながら横を見ると、村長は未だ室内の光景に目を奪われている。
いい年をしているはずの彼は恍惚の表情を浮かべ、息を荒らげている。その下半身は、すっかり膨らんでいた。
「……村長」
「……あ?あ、あぁ、その、アレが、お探しの魔女でして……」
赤司の呆れと軽蔑のこもった呼びかけに、流石に我に返った彼は、ワタワタと無意味に腕を動かしながら、必死に訴えてくる。
「……魔女、ね」
「そ、そうです。男の身でありながら、夜な夜な男を求め、その魔力で村人たちを垂らしこむ、恐ろしい悪魔です……っ」
「……成る程。あなた方は被害者というわけか」
このままでは我々はアイツに食い殺されてしまうとわざとらしく嘆く男に、赤司は冷たく目を細めてみせた。


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