Clap
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クロside


手加減、手加減と思いながら拳を振る


意識を失わせてもいいけど記憶を飛ばされたら困るわけで


「…ほんと、面倒くさ」


ボスの周りにいるやつらはとりあえず潰した


伸びてる仲間を見ても余裕そうな顔をしているのは、別に大した情も無かったってわけっすかね


「これで終わりっすよ。あんたを捕まえて…あーそういうことっすか。つくづく面倒っすわ」


「はは、まあそういうこった。どうする?」


にやにやと笑いだす顔に腹が立つ


仲間が倒れても平気そうなのは情の問題じゃない


わざと捕まって情報を吐かせて、ついでに俺たちのアジトを突き止めようともしてるスパイだ


「とりあえず捕まってください。その後どうするかは俺たち次第」


はーいとのんびりした声で返事されながらも捕まって目隠しをする


…こういうスパイはGPSも使ってる可能性もあるっすから


「――左の方から行くっすよ」


「はい!」


これで場所替えをしてる


何も言わないで帰るのは本拠地のあのカフェ


右は古い誰も住んでいない小さなマンションをもう一つの場所にしていて


左は管理人さんがいる一つの倉庫


管理人さんは俺たちみたいな人だから何も言われないし、勝手に使って状態だから会わなくてもいい


その倉庫を俺は選んで連れて行った



「もしもしリトさん。クロっす」


『ああ、お疲れさん。どこに向かってる」


「左。わかるっすよね」


『…そういうことか。わかった、こっちはー…なんか優しそうな奴残しておく』


「一応まだ安心じゃないっすからね。お願いします」


これでリトさんも来てくれる


ソウさんはもしかしたら秋名の方を見てるかもしれない


振り返れば表情はわからないけどまだ余裕そうな雰囲気だ


一体なぜ秋名を狙ってるのか、誰がそうしてるのか


主犯は――


考えたらきりがない


それをすべて教えてもらうのが今回の仕事だ






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