それが昨日の事だった。そして、今日。今、今現在


『……おりょ?』


知らない土地にいた。今まで兄とあらゆる土地を放浪してきたが、こんな土地は知らない。そうか、そうだ。コレは


『…“ 導かれたのか ”』


専門家の私がなんてザマだ。まぁ、これはこれでどうすることも出来なかったのだが


『ふむ、とりあえず。探すしかないな』


兄よ、また心配をかけてしまうな。ま、兄なら私が導かれたことに気付くだろうねん


『さて、と…寝床を探すかなん』


元学習塾並みの場所があると、嬉しいのだけどねん


“ 銀髪ノ女ハ ”
“ ソノ場カラ助走モセズ ”
“ 勢イモツケズニ ”
“ 飛ンダ ”
“ ビルヨリモ高ク ”
“ 山ヨリモ高ク ”
“ 飛ンダ ”
“ 夜ノ街ヲ高ク ”



導かれた吸血鬼



兎にも角にも寝床探しに専念しなきゃね。このまま朝になられたら非常に困る。ホントに。いくら日差しを浴びても大丈夫な身体だとしても、気分的に嫌なのだ私は。あの銀髪の吸血鬼もそうだったのだろうか。私がこう思っていたということはあの銀髪の吸血鬼も思っていた、ということになるんじゃないか。この疑問はあの時から思っていたことで、思っていたところで、答えなど返ってきやしないのにねん


“ 銀髪ノ吸血鬼 ”
“ 怪異ノ王 ”
“ ノーライフキング、ニ襲ワレタ ”
“ 忍野ミミ ”
“ 否、願イヲ聞キ入レタ ”
“ 襲ワレル事ヲ承知シタ、ノダッタ ”


『…お、みーつけた』





  
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