ま、そんなこんなで阿良々木くんに元学習塾まで送ってもらった私だったが、そんな私は何故か


「いつも昼は寝てるはずの妹が急にいなくなってたら、この兄が心配しないわけないでしょ」


正座させられ、説教を受けていた。兄曰わく心配させられ、たという理由らしい。私は部屋の隅でこちらを恨み憎しみの籠もった目で見る忍ちゃんをちらりと、見る。忍ちゃんと私は同胞。忍ちゃんはこちらを睨みつけ、というより兄を睨みつけているのだがね


『ありゃりゃ…それはすまないねん』

「……はぁ」

『兄よ、ため息など吐いていると幸せが逃げちゃうぞ』

「誰のせいか分かってる?」

『私だというのか?!』

「何だいそのあからさまな驚きようは」

『兄よ褒めても何も出ないぞ!寧ろミスドのドーナッツを要求しよう!』

「褒めていないよ。というか、ドーナッツは昨日忍ちゃんと食べたばっかでしょ」

『お腹減ったよん。餓死しちゃうよん』

「うーん。そう、言われてもねぇ?知ってると思うけど、僕ら食べていくのやっとなんだからね?」

『知ってるよん!大丈夫、冗談だからさ気にしなくていいよ兄』

「そうかい?なら、いいんだけどさ」

『ていうか、もう正座崩してもいいかい兄よ』

「まだダメだよ」


1時間以上は正座してるよん私は


『兄は鬼だ!!…あ、鬼は私か!』

「最近ミミは阿良々木くんに似てきたんじゃないのかな」

『!!』


え、なにそれ。私があの阿良々木くんに似てきた、だと?!


「…この世の終わりみたいな顔するの止めて、お願い。まるで僕が悪いみたいじゃないか」

『ぐすんっ』

「ごめん!ごめんってば!僕が悪かったよ!」

『ふっ、分かればいいのだよん』

「……よし、もう1時間正座していなさい」

『私は吸血鬼だが鬼だが…兄は私より鬼だ!!』

「はいはい」

『忍ちゃーん!兄が私をいじめるよん!』


そう助けを求めれば、忍ちゃんはその小さな背中を私の前に、守ってくれるかのように私の前に立ってくれた


「そう睨まないでくれよ。僕はただ単にミミを心配しただけだよ」


美しき怪異殺しは同胞


(儂はいつでもうぬの味方じゃ)

(ありがとう。我が同胞よ。私もいつでもあなたの味方だよん)

(仲が良いねぇ。ま、当たり前か)





  
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