小説 | ナノ




いつかのために頑張れば、
いつか報われるんだよって

いつかばかり、夢見ていた大人が
あたしに語りかけていた気もするけど。

その濁ったガラス玉を、
どうしてだか、なんてわかっているけど。
あたしは覗き込むこともできずに。

代わりに探していた、
あたしよりも冷たい、その左手を。


重苦しい、ドアをあけて。

今日も頑張ったよ、

乾いた声で呟いてみたとして、


そこに貴方が居ないのなら


ねぇ、
何が報われたって言うの。


祈りの花は残酷に、
貴方の冷たい、体温を覚えてた。


目を閉じるたび焦げ付くから、

時折眠れなくなるんだ。


2013 8,15 23:19



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