「嫌だってばよ!!」

響いたのは、渾身の力のお断り。
それに向かい合う綱手は火影ならでは…というべきか、結構冷たい目をしている。

「わかってないな、ナルト。お前に拒否権はないんだよ」

「ヤダヤダヤダ!ばあちゃんは何かっつーと雑用は全部俺だってばよ!たまには他のやつにも頼めっつーの!!」

眼を剥いて喚き散らすナルトが何を揉めているかというと、流石の忍も唯一の休日である元旦の本日、ぬくぬくと炬燵で過ごしていたところをいきなり呼びつけられた挙げ句、任務の依頼をされたからだ。
しかもその任務は三箇日に跨がるらしい、神社の警備。

「明けましておめでとう」よりも先に「任務をよろしく」なんて、それはない。

数十分にかけ、頑として拒み続けるナルトに「お前にとっても悪い条件じゃないんだぞ」と綱手は言うが、唯一休みをとれる正月まで働き詰めなんてどこがどう良い条件なのか…、否、どこも良い条件なんかじゃない。

「はぁ…、仕方ないな…。じゃあ他の者に頼むか…」

頑なに嫌がっていたからか、漸く諦めてくれたらしい。

他の者をあたるべく綱手が机の上のリストを捲った時、コンコン…とノックの音がした。


















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