――確かに、綱手がそう怒鳴るのも無理はない。

本来男であるはずのナルトは、今現在胸も括れもある、腰近くまでの金髪を纏った女の姿。
しかしコレはふざけているわけではないし、まして解けと言われても解けるものではないのだ。


…変化の術を用いたままカカシに与えられた薬を飲んでから、約一週間。

当然、サクラやシカマルを始め、女体化したナルトを見た周りの反応は「は?」と言うものだった。
綱手同様、何をふざけてるのか、と言うのが大半だったが

『コイツ、今ちょっとした新術を開発中だから』

カカシがアッサリ平然と言ってやると、怪訝な顔をしつつもそれ以上深く追及してくる者はいなかった。
まあ、誰しも明らかに納得はしていなかったが。


――しかし、今度の相手は里の長。
そんなユルユルな言い訳通るはずもない。

「いや、あの…解けって言われても…」
「なんだ!早くしろ!!こっちはお前の悪ふざけに付き合ってる暇はないんだよ!!」

(だから、解けないんだってばよ〜…!)

これ以上、何の逃げ道もない。

「…綱手様、それについては自分から説明します」

完全ピンチなナルトに、横からカカシが助け船を出した。

「カカシ、お前は黙ってろ。私はナルトに言ってるんだ!」
「ですから、今ナルトがこの姿をしているのは俺のせいでもあるんですよ」

「…どういうことだ?」

カカシはどうやら全てを話す気らしい。
固まるナルトにチラ、と目をやると

「どっちにしろ近い内報告しようと思ってたからちょうどいいよ。…ナルト、お前は廊下に出てろ」

と言って。

(……)

…絶対、怒られると思うのだが。
ナルトがドキドキしながらドアの外で待つこと数分。

耳をそばだてている間、中はシンとして何も聞こえてこなかったが、暫くして

――ドカッ!!

…と、めちゃくちゃ痛そうな音が響いた。




「…カカシ先生、それ痛くねーってば?」
「痛くないわけないでしょ。めちゃくちゃ痛いよ」

無事火影の屋敷を出て、隣を歩きながら、ナルトはカカシの横顔を窺う。
やはりと言うべきか。
カカシのその頬は口布をしていてもわかるくらい赤く痛々しく腫れ上がっている。

「つ、綱手のばあちゃん、怒ってた?」
「そりゃあもう」
「……」

ナルトがヒク、と顔をひきらせると
「けど、一発で済んだんだから優しい方だよ」とカカシがナルトを見る。

「正直、ボコボコにされると思ってたし」

…まあ、わからんでもないが。
綱手はナルトを溺愛していたし。

「カカシ先生…、どこまで話したんだってばよ?」

「ん?勿論包み隠さず全部」
「ぜ、全部…」

頬を熱くするナルトにカカシは「そうだよ」と続ける。









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