一方のカカシはあまり慌てる様子もなく、ナルトの頭をヨシヨシと撫でると腕に抱き、

「何だろうね…。俺も心当たりないけど」と考えるように言う。

ナルトに比べれば驚くほど落ち着いていて、オドオドしているナルトの頬を掴み、「ナルト、顔を見せて」と上向かせた。

言われるがまま顔を上げたナルトは、金色の髪に碧の瞳の少年になっていた。
推定年齢十三、四歳くらいといったところだろうか、全くの子供でもなく、かと言って大人でもない微妙なお年頃。
その髪の色や真っ直ぐすぎる瞳は犬の時の面影を確かにもっている。

「お前、人間になってもあんまり変わらないね。可愛い」

「かっかわ……」

そう言うカカシは、人間になったら少し違っているように思えた。
整った顔で、大きくて逞しくて――推定年齢二十代後半といったところ。
でも、こんなに格好良かっただろうか。
犬の時とは違い、そこにいるだけで『男の色気』のようなものが出ているのだ。

多分、いつもの癖みたいなものだろう。
顔を寄せ、カカシはナルトを舐めようとしたのだが、いつもと要領が違い、迷ったあげくその唇をベロリと舐めた。
肩を竦めたナルトが眼を瞑ってそれを受けると、そのまま唇を重ねてくる。

「ぅ、ん……」

そうされながらギュウッと抱き締められれば、温かくてすごく安心する。
……けれども、犬が人間になってしまったこの非常事態をカカシはどう思っているのか。

人間になってもナルトはやっぱりカカシより身体が小さく、引き離そうと胸板を押し返しても全然敵わなくて、却って抱き寄せられるだけで、カカシはこの状況に焦るどころか、犬の時にはなかった唇と唇をくっつける行為を気に入ったらしく、
「ナルトも舌出して」とうっとりした瞳で言って、自分から舌を絡ませ始めた。

「カ…カカシ先生、ちょ…」

その前にもっと考えるべきことがあるのではないか。
混乱し、弱い力でナルトはカカシを押し返して……その最中、腹の辺りに感じた違和感に動きを止めた。

「……」

見下ろせば、ナルトの腹に主張するようにぶつかっているのは、カカシの男性器だ。犬の時にも何回か見たことがある。

……が、今は犬ではなく人間の姿で、それ自体が犬の時の場合と大きさも形もまるで違っている。

「……」

カカシも人間の姿での……しかも若干興奮状態のソレを見るのは初めてなので、少し驚いたような顔で自分のモノを握ってみせた。

「……ナルト、どう思う?コレ」

「どうって……。お、俺だってわかんねーってばよ。……なんか腫れてるけどそれ痛くねーの?」

「痛くはないけど……、興奮してんのかなー」

「興奮?」

「んー、だってお前すごく可愛いし……」

すごい好き、とまたナルトを見つめるカカシはどうやら人間の姿になったナルトに一目惚れしてしまったようだ。
熱い眼差しでナルトを見つめる。
端正な顔立ちをした男にそんな風に愛の告白をされたナルトは頬を赤らめ、眉尻を下げた。








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