一番最初に班を組んでから早くも三年の月日が流れ、三人は十五歳になった。

相変わらずミナトが先生だし、ナルトもサスケもカカシも変わらない。
昔と同じように……否、昔以上にもっと強くなった。

会話から察して戴けるかと思うが、本日三人に急遽舞い込んできたのは下忍指導だった。
担当上忍が任務で負傷し入院中の為、そこの子供達が宙ぶらりんな状態ということで、まだ幼い彼らの面倒を見ることと、基本を教えることを兼ねての依頼だ。
忍としての基礎的な術を丁寧に教えてやれ、という簡単なようで難しい難題を頼まれた。

それだけでも面倒臭いのに、資料を探しにきたところで、
「じゃあついでに資料室の片付けもお願いね」
と受付の忍に笑顔で頼まれたのがここまでの流れである。


「文句言うな、ウスラトンカチ。だるいのはお前だけじゃねーんだよ」

サスケがそう言ったところで、資料室のドアがガラリと開けられた。
顔を覗かせたのは、受付の忍だ。

「やぁ。頑張ってるとこ悪いんだけど、ちょっとの間でいいから一人受付に回ってくれないか?自分が抜けなきゃいけなくなったもんで」

「え……」

その瞬間、カカシとサスケは示し合わせたように視線を合わせた。

二人ともナルトが好きである。
その為、お互いのことが好きじゃない。
二人の頭に過ったのは、サスケ(カカシ)が受付に回ればナルトと二人きりになれる……という考えだ。
逆に自分が受付に回ってしまえば、相手にナルトと二人きりになるというチャンスを与えることになり、ナルトが受付に回ってしまった場合も、好き合わない二人が二人きりになる。
それは避けたい。

カカシは冷めた目でサスケを見て、サスケはそれを睨む。

「ジャンケンする?」

「……挑むところだ」

「えっ!?何だってばよ、俺も混ぜろってば!」

「ナルトはいいの。下がってな」

何でだよ!と食ってかかるナルトを押しやり

「ジャーンケーン……」

「ポン!」

カカシが出したのはチョキで、サスケが出したのはパー。

「ハイ、決まり。サスケ受付ね」

「……」

サスケはまたカカシを一睨みすると、チッと舌打ちして資料室を出て行った。
状況が良く分からないナルトは眉を寄せてカカシを見る。

「……サスケ、下忍指導したかったのか?俺別に受付でもいいってばよ」

「決まったからもういいじゃない。さ、頑張りましょーか」

下忍達と待ち合わせしているのは午後からの為、午前中いっぱいは資料探しということで。

「……」

「……ナルト。お前寝てない?」

「ん?んぁ……、寝てない寝てない」

活字が苦手なナルトはちょっと巻物を開くとすぐ眠くなってしまい、うつらうつらしていたところにカカシに声をかけられ、口の端から伝っていた涎を慌てて拭う。
あふ、と大きく欠伸をした後に「つーかさー」と口を開いた。

「下忍指導ならカカシやればいいじゃん。お前、エリートだ何だって周りに言われてんだから」

「……僻んでんの?」

「僻んでなんかねーってば!……ちょっと女の子にモテると思ってさー」

明らかに僻んでいる様子のナルトにカカシはふう、と息をつく。









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