どこが深刻な悩みなんだと言われたらそこまでかもしれないが、しかしながらこれというのにも色々と訳がある。


部下であるナルトと付き合い始めたのは、もう数ヶ月ほど前のことだ。

どちらが、というわけでもなく、どちらからともなく。
お互いの気持ちを察し、カカシがそれを促して、ナルトがそれに頷いて付き合うことになった。


付き合い始めのナルトはそりゃあ可愛かった。
誰かと付き合うことが初めてだと、カカシと一緒に居ればこちらに移ってしまいそうなくらい幸せそうにしていて。
キスも、その先も勿論全てが初めてだからカカシは慌てず焦らず段階を踏んでそれを済ませていった。

そこまでは、良かったのだ。

始め恥じらい、可愛らしかったナルト。
しかし年月を増すごとに要領を得たのか、あるいはヤりたい盛りの十代だからなのか。
次第に大胆になってきて、自分からカカシを求めるようになった。

勿論、それだって嬉しい話だ。
男として光栄の至りだとも思う。

けれど――…


「ん…」

カカシは眉を切なげに寄せて、下を見下ろす。
金色の頭、その旋毛が下にはあり、今はそれは一生懸命カカシの股関に顔を埋め奉仕している状態だ。

「ん、チュ…チュパ…」

…多分、そんなに美味いものでもないと思うのだ。
匂いだって、あまり良くないと思う。
しかしそれを味わうナルトは頬を染め、美味そうに頬張っている。
舌を絡め、口をすぼめて。

「は、…っ、…」

カカシの腰は次第に揺れ出す。

「…」

それをチラリと見たナルトはまた目線を戻し、れろれろと口を動かした。

…こういうところも、悩みの種。

経験を積んだからなのか、今のナルトの口淫は、プロの女性並みに上手い。
しかもやってて嫌そうどころか、自分からしたいと言い出すのだから始末に終えない。

最近、だからカカシは思うのだ。
こういうことを下手にナルトに教えるべきではなかったと…


「…っく、…ナルト、も、いい…」

ぐいと額を押すと、ナルトが片眉を寄せて
「なんれ(なんで)?」とカカシを見る。

「カカシ先生、イってないじゃん」

「いいから…」

考えてみれば、確かこの間も、その前の休みもこんなことをしていた。
最近顔を合わせばこんなことばかり。

嫌なわけではないし、カカシだってヤりたい気持ちはあるが、流石に毎回毎回会うたびにこんなことばかりしていると自分たちの関係はこれでいいのか?と思えてくる。

もっと、ちゃんと話をしたり、他に目を向けたり――…

十代のナルトに、教えるべきもっと大事なことは他にもたくさんあるはずなのに。


「こんな途中でやめるの、ヤダってばよ」

なのに、現実はこうなのだ。

アム、とカカシ自身を再びくわえたナルトは追い上げるように口に入りきらない部分を手で扱きながら唾液を絡めて吸い付いた。









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