上忍、中忍、下忍など。

木の葉の忍という忍(不参加なものも多数いるが)が集められているだけに、
結構スケールが大きいというか。

二十人は座れる大きな長テーブルが五つ、広い大宴会場に置いてある為、少なくともそこには百人の定員がいると思われる。
それからまた、自分の仕事を終えた忍たちが合流してきたりしているもので、時間が経つにつれ宴会場には定員オーバーの人数がひしめき合い、誰がどの席なのか、この皿は、箸は誰の物なのか、そんなこともわからないような混雑のしようとなっていた。


そんな中。

「――なあ、カカシ先生も来てるんだな」

そう声をかけてきたのは、切れ長の目で黒い髪を一つに束ねた賢そうな少年…シカマル。

「ん?」

言われたナルトが一つ向こうのテーブルを見ると、ナルトからすると上司で先生の銀髪の男…カカシが酒を呑んでいるのが目に入る。

「イメージ、こういう集まり断りそうじゃねえか?」

「あぁー、言われてみればそうだってばね」

飲み会が始まった当初、普通に口布を下ろし酒を呑みだしたカカシに、周りの者…特に女性たちはその整った素顔に結構騒然とし、ナルトなどその素顔を知らなかった者たちもかなり驚いたのだが、飲み会が続くにつれ特に誰も何も言わなくなった。

「たまには呑みたかったんじゃねーの?」

ナルトは少し笑って自分の飲み物に手を伸ばす。
勿論未成年の彼らにあてがわれているのは、アルコール抜きの烏龍茶やらオレンジジュースやらのドリンクたちである。

「無礼講なんて言ったって、こっちはシラフじゃそんなテンション上げれねーっつーんだよ」

三つほどテーブルを挟んだところで、既に出来上がってるのではないかという勢いで馬鹿笑いしている綱手に目をやりながらシカマルは呆れた表情だ。

「んー、けど、こんだけ混み合ってりゃちょっとくらいパクッてもわかんねーってばよ?」

ニシシ、と昔の悪戯小僧を思い出されるような笑顔で言って、隣のテーブルから酒を拝借してこようとナルトが立ち上がった時。


「ナ〜ルト」

そのちょうど向こう側のテーブルの、端っこの方から声がした。

「ん?」

見れば、目を細めた銀髪の上忍が手招きしている。

「おいでおいで」

「へ」

俺?という感じでナルトが自分を指差すと、ニコニコとカカシが首を縦に振った。

「え、えーと…」

何だろう。戸惑ったナルトがシカマルを振り返れば、シカマルは

「行った方がいいんじゃねーの?」

と少し面倒臭そうに言う。

「………」

まあ、明らかに呼ばれてるのに無視するのも…と思いつつ

「な、なんだってばよ」

ナルトは少し妙な様子のカカシの傍に寄って行った。

出来上がってるのは綱手だけじゃなかったのか。
近くに行って、これはおかしい、とナルトは気づく。

「まーま。ここ座りなさいよ、ね」

グイグイと腕を引かれ、腰を下ろしたカカシの隣。
いつになく上機嫌なカカシは、結構酒が回っているらしい。
頬も耳も赤いし、目もどこかとろんとしているし、
…何より

「ね、シカマルと何話してたの〜?」

(何だってばよ、この喋り方…)

完全な酔っ払いだ。
辛み酒か。無遠慮に肩を組んでくるカカシの息が顔にかかるが、それも結構なアルコール臭を含んでいる。

「何って、別に普通のことだってばよ…」

そんなカカシからナルトは少し仰け反りながら答えた。
自分が元いた席に目をやると、目が合ったシカマルが苦笑いする。
“頑張れ”という目線をくれたシカマルだが、いのに話しかけられ、そちらと話し出してしまった。









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