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会えば優しいし、波長が合う時は、それはそれは上手くいっているのだが、たまに、まだ子供な雰囲気が抜けないナルトとのやり取りに疲れてしまうのか、少し素っ気ないこともあり、メールという文章ではそれが余計に分かりやすくなってしまい、顕著だった。
さほど敏感ではないナルトも、カカシのそういった雰囲気を肌で感じ、たまにおもしろくなくなる。
人間、好かれたら好きになるし、素っ気なくされたら素っ気なくなるものだ。
その日も、自宅に戻った後、そういえば言い忘れたことがあった、と【今度、テストがあるから数学の勉強教えて】とメールしたところ、五分ほどして返ってきたのは【わかった。おやすみ】という一言だった。
やり取りにおいて、【おやすみ】【また連絡する】などの言葉をカカシは多用するのだが、それらの文は、今のところこれ以上、お前と話す気はないよと言われているみたいだ。
メールを眺めたのち、ナルトはベッドに携帯を放り投げた。

そして、ふと思ったことは、しばらく控えてみようということだった。
もしかしなくても、カカシはナルトの大量のメールのやり取りに疲れている。
これ以上、事を積み重ねると、疲れ果てたカカシに愛想を尽かされそうだ。
ナルトは、友達は多い方だった。
明るい性格が功を奏して遊ぶ相手には事欠かない。
が、それらの友人達とメールすることが多いかといったら否で、そちらにはむしろメールのやり取りが面倒だと思ってしまう。
ほぼ毎日学校で会っているし、メールするほどの用件もない。
もちろん、カカシにしているメールも『メールするほどの用件もない』ものばかりだが、やはりカカシは特別。
好きだから、たいしたことがない内容でも伝え、共有していたい気持ちがあった。
その為、メールを控えてみようと思っても、学校で起こったことをその日のうちにメールしたい気持ちになったが、こらえた。
メール中毒……というよりはカカシ中毒だろう。
ナルトはメール自体はそう好きじゃないのに、日に何度かカカシ先生にこれを伝えたい、という気持ちが湧きあがってはダメダメとかぶりを振り、こらえた。
カカシは優しくも、たまにそんな風に素っ気なく、また、一方ではまめな男だった。
ナルトが送ったメールには遅れても、短文でも一応返事はする。
それで二人はほぼ毎日欠かすことなく連絡を取っていたのだが、ナルトがメールをこらえたその日、カカシからはメールも電話もこなかった。

少し淋しい気がしたが、それは、二日と経っても同じだった。
よほどナルトからの連日のメールに嫌気が差していたのか、解放されたと言わんばかりに音信普通だ。
最初は頻繁に携帯を確認していたナルトも、三日目になると期待するのがむなしくなって、携帯を放り投げたままチェックもずさんになった。
また、そうやって久々に携帯を見ても、やはり何の連絡もなかったから期待するだけ無駄だという考えは外れていなかった。

五日めになって、ようやくカカシからメールがきた。
毎日のようにくだらないメールを送っていたナルトからぱったり連絡が途絶えて、さすがに気になったのだろう。
たった五日の空白期間であるが、

【最近、元気?】

……などという、どこか遠慮がちで、数か月連絡を取っていなかった時のような文字が書かれていた。
ナルトはそれを見て、しばし考えた。
カカシがたまにやるみたいに数時間放置するか、すぐに短文だけを返信するか。
考えた挙句、すぐに【元気だってばよ】とだけ返信する。
カカシはそれをどう受け取ったのか、それからしばらく返信はこなかった。
別段、喧嘩しているわけではないのに、これではまるで喧嘩しているみたいだ。



続くかも
ss 2014/06/27 21:39
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