イタ電から始まる百合ロマンス4
(突発短編)


「おお……ぅ」

「…なに初対面の人間を全身視線で舐め回して妙な感嘆漏らしているの」

「やーー……奥さ…じゃなくておねーさん。マジで来るんだなあって呆れ…や、感心してたんス」

「……」

「イタタタタタタタタタ!!!い、痛い!ヒールで爪先ぐりぐりしないでくださいおねーたま!」

「アナタが失礼だからよ。アナタ、私の言葉を本気にしてなかったの?」

「…いやぁ、あの時はスッゴイ感動したんですけど、おねーさんを待つ間に冷静になって来たんですよね。赤の他人の、しかもあたしなんかの為に、誰かが親身に動いてくれるわけないって」

「……しかも、変態だしね」

「うぐぁ!…ホント…返す言葉がございません…。まぁそんな訳なんで、大丈夫ですよ、おねーさん」

「…何が?」

「あたし、おねーさんの記憶にある間くらいは生きてますから。おねーさん優しい人だから、わざわざ心配して来てくれたと思うんですけどね。あたしは実際変態だしバカだし、親も友達もみんなあたしから離れてっちゃうんです。だから、おねーさんも1週間もすれば、あたしなんかの事は忘れますよ。覚えてる価値ないって脳が勝手に記憶消去しちゃいますから。だから、ダイジョ…」

「長い」

「え」

「夜中に高速ぶっ飛ばして栃木から人がウジャウジャわいた都心に来た人間に長文ぶっかけるんじゃないわよ。眠いのよ!私は今猛烈に睡魔に襲われてるのよ!………あ、」

「あ〜」

「ええっ?」

「………お休みなさい」

「えええっ!?ちょっ!おねーさん!?」

「ムダムダ。かーさん一度寝たら大音量の電子音でしか起きないから」

「…しかし普通ファミレスで爆睡する?」

「いーんじゃない?普通ってカテゴリで言ったら、エロレズのイタ電に人生の決断を委ねちゃった時点で、外れちゃってること間違いなしだし」

「ちょ、な、何それ!?もしやあたし、何かとんでもないことした訳!?」

「どうだかね。それは本人にきーたら?じゃ、とりあえずヨロシク、かーさん弐号機」

「アスカ!!???つかキミはなんなのよー!!っておねーさんに倣って寝るなよ!店員さんの視線がちょう痛いんですけど!」



続くか…続けられるのか!(

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