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  希望の光を彼の森に1



綺麗な緑の髪をした女の子が1人、うっそうとした森の中に佇んでいた。空が曇っているのか、森には殆ど光が射し込んでいない。
暗い森の中に佇むその女の子、カームは茂みに向かって言い放った。
「…カムイ、出てきなさい」
カームが話しかけた茂みから、これまた緑の髪の、カームによく似た少年が出てきた。
「危険だから着いてきたら駄目だって言わなかった?見回りは遊びじゃないの。インヴェルズが侵略してきて大変なときなんだからあなたは里で大人しくしてて」
カームはその少年、カムイに対し冷たくそう言った。
しかしカムイは、
「だって僕も皆の役に立ちたいんだよ!」
と、言うことを聞き入れようとしない。
「駄目よ。あなたはまだ子供じゃない。危険すぎるわ…」

カムイはカームの弟で、カームの唯一の肉親だ。
だから、カムイが傷つくようなことには絶対になりたくないカームもカムイが帰ると言うまで引き下がる訳にはいかない。
だがそんなことをカムイが心得ているはずもなく、
「僕だってもう13だよ!それにウィンダ姉ちゃんも見回り出てるじゃないか!」
と、自分だけのけ者にされるのは嫌だとカムイは声を張り上げ主張した。
「ウィンダはあなたと違ってしっかりしてるし、あなたより2つも歳上じゃない」
「でも…」
言い返せなくなりうつむくカムイ。
これでもう話は終わりと言わんばかりにカームはカムイに背を向けその場を立ち去ろうとした。が、
「いいから、帰りなさ…きゃっ!」
「姉ちゃん!?」
カームの前に闇が立ち込め、その中から実態を持った何かが現れた。






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