深淵 | ナノ


口は災いの元だという。



47.暗い、



そして結論から言えば、私の次師団には数字があった。
つまり、特務師団に属する未来だけは除外された事になる。

私の配属先は、第二師団。




…理由は簡単。一体どこになるんだてかどこなら受かるんだあああと頭を抱えてた私にディストさんの鶴の一声がかかったせい。じゃねー間違えたおかげ。「じゃあウチに来ればいいじゃないですか」とアッサリさっくり入れてくれたからだ。曰く人形をぶち壊した私に研究の手伝いをそして暇があればまた一緒に食事でもゴニョ…うんたらかんたら。後者が本音では…?って質問は飲み込んどいた。

いやでも全く良いんだけどね、その方が仕事的には長の量に比べりゃラクな事は目に見えてるから。原作的には胃痛だけはグレードアップするかもだけど。
いやいやでもいいのかこんなんで。まあでも、イオンのお気に入りとはいえいち導師守護役でしなかった(と言うのも悪いけど)アリエッタがいきなりの六神将入りを果たしたのだから、アリなんだろう。それが実は総長の職権濫用(と書いて私的な手駒で固めている…)というコトに勘づけるのは上や身近な人物そして私みたいなプレイヤー…くらい。しかしそれがまかり通ってるのだから端から見てもここ神託の盾では割と普通という事なんだろう。うん、それなりにここにいて慣らされた私の感覚も無問題と告げている…気がする。だからそういう事にしておこう。思い込んどこう。あんまり拘りすぎると逆に不満なのかと取られかねない。

大体何気に私も長だったワケだしな。むしろそれが新たな師団の末席を汚しただけなのだから誰も疑問に思わない、てか思えないのだろう。むしろ逆の疑問なら受け取ったけどな。アリエッタとか友人Zに。前者は不満、後者はアナタそれでいいの的な。いいも何も成り行きで来た今までがおかしかったんだと思うよ。長命故の経験で持ってただけで元々得意技はTHE・お荷物。最強に落ちこぼれ。そしてアリエッタはありがとう。

ただこうしてサラッと決められたものの第三音素の噂によると、何でも第五師団の師団長は畏れ多くもダダをこねてくれたらしい。…いや、あやつにその言い方は微妙だな。
と言うのも聞いて驚け、そこの現師団長が何とかつて私をここへと引き込んだアノ元凶だったりするからだ。そしてヤツは何気にどころか重症の譜術厨なだけあってそれに突出してはいたからだ。簡単に言えば導師守護役を離れた私を譜術研究のモルモッ…モニターとして引き入れたかったらしい。あれあんま変わんなくね?
んで誰それフー(who)ってのはあれだよ、いつぞやの教団兵A。いや今は師団長Aか。てかオイいつの間に昇進した。いや知ってるけどさ。私も腐っても神託の盾だし。何回も言うようだが更迭の話があれば絶対耳に入る。
まーあれから10年以上経つわけだしねー。今言った通りの実力だったからしてありえん話でもない。神託の盾の位階もぶっちゃけの奏士だと言うし。因みに謡将のすぐ下であり謡士(パッパ)の上である。…あれ何気にスゴくね…?

…それにしても、だ。どーせ師団入りは避けられんというのならせめて未来(ストーリー)的な意味…は無理でも、油断ならなくない相手のとこが良かったんだけどな。ただのワガママだけど、つまり私的にはアッシュorアリエッタが良かったのだよ。…いやでも、それはそれで色々と巻き込まれそうだからいいのか。そしてアリエッタんとこは魔物の翻訳的なコトがあるから実質一択だったっていう。

因みにディストさんは今のところ微妙に安全圏な気もしなくもないが、でも今のところ総長側である以上やっぱり念には念てやつだった。だからやばい。ちょいマズイ。

ヘマしてフォミなんちゃらを目撃しちゃったりあまつさえカマなんてかけられた日にゃ動揺を隠し通せる自信がない。




そういえば配属先に於いて「パパン<シンク」的なコトを先日言ったけれども、それは言葉の綾であってとゆか、原作知識で確実にそうなる事を知ってるからこその感想なだけであって。だから前述の通り現在の六神将の一部は、こうしてまだ違っている。

総長に次ぐ神託の盾トップ。そうポンポコ替わるもんでもないから今の六神将で私の知るそれでない方々は多分も何もなく、いわゆる前任ってやつだ。まァ方々っつっても残すところ二人なワケだが。
んでこっちは多分過ぎるけど、原作まで恐らく長めに見積もっても5、6年は切ってるハズ。流石に「確か昔そんな事想像してたような?」なそんな10年はいつの間にか過ぎちまってたコトからして。つか入団時は5歳だった私も今や15過ぎての17だし。(あ、ほぼ生前死んだ歳やんけ)。

5、6年。流石にその間に二回以上の選手交代があるとは、考えにくいよなあ…。

一応、気になったから数日前――第二師団に配属してすぐのある日、師団長Aにもそれとなく訊いてみて、


「交代予定?いや、少なくともあと数年はやるつもりだが。あ?もしかして目指してたりするのか?」

「いやいやまさか」


なんていうウラも取ってたりはするけど。でもとりあえず、今すぐ原作通りにー、って感じではなさそうだった。何かちょっとイラッとした風だったのが気になったけど。下の者として至って普通に謙って訊いたんだけどなんかまずかったんだろうか。
そして私どんだけ虎視眈々とか思われてるんだ。あれかソッコーで導師守護役盗ったからか。いやそれ成り行きだからな原因アンタ含め。第一いやだよイオンのコネが残ってるならともかく(オイ)そのままじゃなれるとも思ってないし何よりそんなの下手したら主人公ズの敵じゃんね。私に勇者を阻むイベントになれってか。私に死ねと?分解されろと?(※ルーク氏の必殺技)。

……でも何ていうか、そうは言っても下手したらリミット、私が思ってるのよりももっとずっと短いのかも。師団長からも明確ではないにしろ数年という言葉も出てる。

――つまりすぐではないにしろ、しかし例えばパパン程の年になるまでやるつもりはないという事では?師団長は今三十路〜四十路らしい。(そういえばウチに来た時はニーチャンだった)。
…今更だけど、私の忘却だけ大得意な脳ミソもせめて、せめて開始年度くらい覚えててくれりゃあ…。

原作まで恐らく〜の根拠だけど、あんまし長いとそれこそシンクとかガワ年齢20を越えてしまうからね。流石にそこまで大人ではなかったハズだ!…と、相変わらず頼りない知識でもそこは言い切っていいと思う。…だってえ、じゃなくちゃショタおっと間違えた、少年とは呼べないじゃあないですかァ。


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