短編?読み切り?むしろネタ+毛? | ナノ


それだけ持つなら売り物に出来そうだけど、調味料に使えたりしそうなそちらさんは実際そこんとこどうなんでしょうか。料理にぶっ込んだらヤバい系ですか?前者は系統が系統だからか平気なようですが。



3.もう頭の中お花畑じゃないから花蜜的甘さでバランスが取れるかといえば、



机を拭きながら私はまだベールに包まれているもう一方を知りたくて、さりげなさを装った。


「ねえねえお父さん。お父さんのも見たいなァ、なんて。…ダメ?」


いくら両親に我が苗字家…じゃねえやゾルディック家の娘っ子である私がするには不自然極まりない質問も通る状態にした(たぶん)とはいえ、やはりいらぬ誤魔化しは使わないに限る。だからここで「お父さんのはどうなるの?」と訊いたら勿論アウト。
念の存在を既に知っている(設定)私が両親の系統を知らないハズはない(設定)。

ってなワケで私のなけなしの脳ミソで何とか出来そうな質問は、こうやってそれとなく言い換えて訊いてみようと思う。
だって身近に、それも身内に念の使い手がいるなら何の系統なのか気になるし、何より生で見てみたいからね!

食卓を最後の最後で大惨事にした朝の紅茶。瞬く間にウワッと拡がったそれは、お母さんが強化系である事の証だった。

うずうずが止まらない。父君やっぱりの双子弟君(実家の家族構成は質問済み。…偏見なのはわかってるけど、兄が家をおん出たんかい!)そのご令息(三男)からして(特に二番目)何となく決まりきってるっぽいけどそれはそれ、これはこれなのだよ!
お父さんのも是非!と水見式を乞うのは私の中で自然の流れだった。

きっかけは朝食の終わり。結局母も嬉々として参加を叫んだ苗字名前さん改め名前=ゾルディックさんの両親によるリンチが決定した際、どんだけ私にヤキを入…鍛えたかったのか知らんが一回目は飲みかけだったコトもあり辛うじてセーフだったというのに、あまりにウキウキの母のマグカップからついに表面張力でカバー出来ない量の中身が溢れ出たからだった。
どの反応がどれかイマイチ思い出せない私は「で、コレって何の系統になんだっけ…」と頬をかいていたのは言わずもがなである。しかし忘れてしまったのはどうしようもないので「前に教えたハズなんだけど…」と二対の呆れの視線を受けながらもきちんと六つの系統とそれぞれの反応をしっかり教えて貰えたのでいやはや助かった。そして二人とも教えは普通に上手かった。流石です。

あと、緋の眼から元の目に戻っていたので原作での中性美人さんみたいに緋の眼時は違ったりするんだろかと思い本人に訊いてみたら、無言で居間の隅にある小さな花瓶を指差された。
ちょこんと飾られている中身、つまり花が水ん中に現れるのかと思い「具現化?」と訊いてみたところ一応『花が器に現れる』らしい。今は何だか違う気がするが、かつては花のようにほわほわしてたお母さんらしいなと思う。
そして花は1ヶ月の命(長くね?)。だから気に入ったのはこうやって飾ったりしてるらしい。是非とも薔薇を量産して頂ければと思う。
……が、しかしそこまでは良かったんだが(良いのか?)何ともはや、葉もろとも水は花に吸い上げられるかのように消え去るわその日その時の気分で花の種類や量は変わるわその種ではありえない色のモノまで生成するわ。
量と言ったがそこで普通は使い手の力量が出るのでは?と思い訊いたら、お母さんの場合は最初花の種が一粒ぽつんと現れただけだったらしい。で、だんだん芽が生えたの、茎葉っぱ付きの、最終的に花そして花の量の増減、って成長具合だったそうな。
そして量が多すぎてグラスが破裂するなんてのもしばしばらしい。因みにこれまでで一番酷かったのはどす黒い菊がぎっしりつまってたのだとか。怖。なんの呪いだ。
しかも水見式の時に使われる器より小さいのは勿論大きい花も現れるらしく、しかし器の大きさに全て強制的に合わせられてしまうとかで、なんかちみっちゃい牡丹や一つひとつが異様にでかい金木犀なんてのも出たりするのだとか。

もう花屋やっとけよ、とは今の母が怖すぎて言えなかったがな。たぶんもげると思う。発らへんで。だって強化系。
とりあえず不純物として花まではセーフな気もしないでもなかったが、水と葉の消滅、成長する種、種類量色ランダムの花花花、しまいにゃグラスの破壊。

緋の眼時、やはりの特質系なのは明らかだった。

そして「ごめんね名前、もう時間だから後片付けお願いね」とすまなそうな顔で薔薇を浮かべた紅茶を私に差し出し、お母さんは仕事(殺戮)に出掛けていったのだった。よしナイスチョイスだお母さん。透明だけど。薔薇。どーなってんの材質。
そして仕事の内容は予想の域を出ないが(怖くて訊けなかった)つまりはコレ、緋の眼タイムは自由自在という事だね?

そして現在二人きりなのだけれども、当たり前だが以前のお父さんには感じた事のない色んな意味での緊張下に晒された。だって見た目が…嗚呼。
しかし醸し出される雰囲気だけは昔のままなせいか、こちらも普通に無言で差し出された。

マグカップ。


「ありがとー」


お礼を言いながらわくわくと受け取った(わざわざ入れ替えてくれたのか普通のマグカップだった。軽い)。
飲めって事は99%は決まったなと思い、特に中身を確認する事もなく口をつけた。


「ブッ!」


予想通りっちゃ予想通りだが、めっさ甘い、飽和状態なんてとっくに超えてるに違いないドロ甘な味がした。





中身は青汁だった。
(1/1)
[back] [top]
- 13 -
×