短編?読み切り?むしろネタ+毛? | ナノ


たとえ命の危険があるとすれば病死か交通事故くらいしかなくとも、面倒は嫌です。
ついでに言えば面倒な容姿という名の設定もいらないです。



【ミントでの彼女の生い立ち】



瞬きしてその目が開くか開かない内に、例えば地図みたいに表記するなら至羊水だったという状況は、残念ながら私にとって初めてではない。

しかしながら“真ん中”という状況は、地上に叩き落とされた(形的には下から上だったが)この三回目人生において初のケースだった。

前回、現代日本において職業・魔法使いに働き口があるかと言ったら答えはノーというか無謀なため、とある腹だし黒髪ロン毛団子は我が家のニートとなるしかなかったワケだがそれを除けば前いた世界は最初の私がいた世界と何とか合ってたってのに、そんな仕打…仕様で今回も唐突に幕が下ろされたのだった。

…何だもうこれクソの(略しすぎ)(いちおークソ神を指す)悪行って言うより体質か?と赤子らしからぬ死んだ目で虚空に視線をさ迷わせたのは記憶に新しい。
両親に、てゆかどっちかってーとのちに新たな我が家となるそこで子を含めずともどうやら既に最強らしかった母に、後でチラと後述するが家が家だからか日本でトップクラスの大学病院への紹介状を!と町の産婦人科で騒がれかけた。患者の豹変とか見慣れてるだろう医者でなかったらおじいちゃん先生だったため淑女が一瞬にして般若と化したのだその気迫と形相に泡でも噴いていたに違いない。ごめん母(むしろ先生)。因みに生後一秒の出来事だった。

…とりあえず遭遇率っていうか、もし後者の体質のせいってんならこの主要人物の血縁者(しかも双子ないし三つ子…)になる率(まんま)をはよどうにかしてくれ。生まれる前からエンカウントしてたんじゃ回避のしようがない。逃亡でもしない限り(しかし家族はフツーにいるため警察沙汰云々を考えるとそれも却下である)。

そんな中さて気づいたのは、将来有望そうな、早くも幼児であるむしろ生まれた頃からか?(いかんせん胎児時代から自我に目覚めるのはもはや今に始まった事ではないていうかそうじゃなきゃ羊水ドンボとか認識出来る筈がない)なきっと別嬪さんになる事間違いナシな片鱗を今から伺わせている上と下のご尊顔を拝見してからだった。まあ片方は男だったけどな。下が。ていうか私も同じ顔だったけどな。だって男女なのに一卵性。

…ああ、ここでの気づいたってのは意識が戻ったとかではなくどこの世界かって意味です一応。
だから男女でも一卵性が成立する。無知…では気づけば方面によっては(戦闘とか人体の急所とか戦闘とか戦闘とか)ありえなくなった気もする(てか、確実に)とはいえアホさは変わらないコトで有名(か?)な名前サンですがしかし一応知ってはいますよ一卵性で男女はありえないって。何故なら同じ遺伝子の構成上同性にしかなり得ないからさ。てゆか、腐っても治癒術使いなんだからそれくらいは知っとかんと名折れな訳だけども…っとそれはなんか今回はあんま使いどころなさそうだからどうでもいいや。ここ普通に平和だからんなもん必要とする日なんざ来やしない(つか来させてたまるか今度こそ私は平穏な生活をゲットする予定なのだから!…間違えた私の中ではもう決定なのだから!)。

ならここはどこ?私は名前です。
…じゃなくて、そこで極めつきに上がまりあで下がのえると、なんか名前まで可愛かった。クリスマス仕様だ。私はここでもやっぱり生前仕様だったからここは皆様のご想像にお任せなんだけどさ。
ついでに言っておくと、現在まりあ&のえる…と私は、赤子を卒業し幼児に分類される職業園児な年齢なのだけれども、我等が弟であるのえるが既にシスコン気味だった。勿論まりあにだ。…そして更に言っておくと私にも発揮されていた。何故だ。男の子なのに私達と同じカオなせいいやおかげ?で確かに事ある毎に目に入れるどころか滾る萌えのまま水晶体を突き抜けて奥の視神経に届く勢いでめちゃくちゃ愛で…甘やかしてきたけども。……それか。そうだな。

とりあえずそんな娘た…間違えた子達に囲まれてるもんだから、私は悟った。
生前、それもケッコー小さかった頃に“読んで”いたといつにもまして大分昔だが、悟った。

ここが『ミントな僕ら』の、世界であると。

多分、いくら時(ピー年)が経とうとも読んだ漫画のタイトルさえも忘却の彼方ではオタクの名折れでもあるってのもあったけど純粋に、そういえばと思い返してみるにもっと続いてほしかったと幼心に咽んだくらいに愛読書だったからだ。
因みに気づくのが遅れたのはチビッコだったっつー上記の理由により殊更に記憶が朧気だったのと、母胎で両親の会話を盗み聞きしたところで双胎(むしろ品胎)と現代医学で知りながらも両親の性別は生まれてからのお楽しみ主義により二人っつか三人の名前(予定ただし一人は何が何でも決定)を会話にする事がなかったからだ。

まあ今は昔の当時の私といえば愛読書っつーその言葉自体知らなかっただろうがな。
何故なら今と違って、普通の子供だったからな。

…そう、今現在私はここで、またもや主要人物っつか主人公の片割れ…いや三分の一な姉弟(一回姉妹とふざけたらのえるに「名前なんか大ッ嫌い…には、なれないけどッ……でもバッキャヤロー!」と歳が歳だったからか大泣きされた。怒り狂ってるのに前提が)の一部を担いながら、幼児なんぞやってるワケだ。つまるところ、真ん中として。

……そう、新たな我が苗字にして(なんか立派な)『南野』家の三人姉弟・一卵性三生児の上から二番目、まりあの妹でのえるの姉なポジションで。

私はどんな世界においても安全第一ならぬ命第一延いては面倒事も厄介事も御免なのだけれども、この立ち位置。
主人公(=のえる)の姉。しかも三つ子、一卵性。

結論。

どうしよう避けられない。


***


「食後の運動ならブランコより雲梯か?…って、んお?」


そんなワケで、避けられずに南野家次女な称号から始まった今生の私は数年前に赤子から幼女並びに幼稚園児へと進化したのだが、只今一人でおそとの世界に冒険という名の両親への精神安定剤を近所の公園に撒きに来たところだったりする。
因みに今日はまりあとのえるとは別行動だ。

…いやね、私もかれこれ5歳になったんだけどまりあとのえるはともかく近所のチビッコ達と遊ぶかっつうか遊べるかっつったら否なワケよ。精神的にキツすぎてもはや何の拷問かとすら思うね!

だから今からっつか生まれた瞬間からおうちから一歩も出ないというまさかのヒッキーに片足突っ込みかけてたんだけど、そうすると全く外で遊びたがらない私を両親は酷く心配する訳さ。まりあとのえるってフツーの(=ちゃんとおそとに遊びに行く)子供の見本がいるのも拍車をかけてたんだろう。
双子(今は三つ子だけどな)の神秘とでもいうのか、二人は今のところおんなじような遊びを好む。外でよくイタズラとかしてるそれがそうだった。
そんな中私だけ違う行動を取ってればそれはそれは目立つって話で。

だから両親を安心させるためにもこうしてたまに、ホントのたまーにだが、近くに丁度いい子供向きの公園もある事だし繰り出す(しかない)私なのである。

が。


「ねえ、そこのぼく。どうかしたの?大丈夫?」


本日のおやつはケーキだったため(お金かかってたのかメチャクチャ旨かった)ならばカロリー消費に遊具を充てるかと運動になりそうなモノを吟味してたら、砂場から10m程離れた位置に左の頬を押さえてボーゼン、といった感じで突っ立つ背丈からして私と同い年くらいの少年を発見した。
今回も何回か前の世界を踏襲したかのように生まれが微妙だったためもうやめて!名前のライフはゼロよ!と思うも年端も行かぬ子供が具合悪そう(決めつけ)にしてたら素通りってのもどうかって話で。てなワケで、気づけば背後から声をかけていたのだった。
…てか、今は私も同じような背丈なんだった。それなのにぼくとか言っちゃったよ。


「っ!?」


いきなり降りかかった声に吃驚したのか勢いよく振り返ってきたその子だったけれども、私と目が合った瞬間、驚くにしては些かオーバーなくらいギョッとしたような顔をした。
…ナヌ?


「っおまえ!……え?あれ?いまさっきむこうにあるいてったんじゃ、」

「…あー…」


多大なるヒントをありがとう少年。
多分だけど、この子まりあかのえると既にエンカウントしたな。で、そのどっちかが私の来た方角とは真逆の方へと去っていったんだろそうなんだろ?
そして近所の子って訳でもなかったのかのえるとはまた違ったタイプの将来期待大な可愛い男の子に見覚えは……ん?


「…な、なんだよ」

「イエ何デモアリマセン」


思わずガン見してしまったが、我が弟の将来の親友にして我が姉の将来の最終的な彼氏となる彼をちっさくすればこうなんじゃね?なんてのは、気のせいというコトにしておこう。


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