限り無く続く空を仰ぎ見れば、
そこに必ずある自由と
―――――鳥。
Free -鳥-
不思議と静かな砂漠に一番早く違和感を覚えたのはバルフレアだった。
疑問に思い相棒を見ると、直ぐに彼の視線に気付いた彼女は頭を軽く左右に振ると―――この何気ない仕種が実に美しいのだ―――異様な静けさを生んでいる原因である人物を見遣る。
否、これが普通で、普段が必要以上に騒々しいのだ。
彼女の視線の先にバルフレアも視線を合わせると、珍しくあまり動き回っていない対象を捉える。
バルフレアは一つ溜息を漏らすと相棒であるフランは素っ気なく彼の横を通り過ぎる。
一言を残して。
「精一杯努めて。」