速水と宮坂 | ナノ


速水と宮坂



「みーやっ」
「うわぁっ!?」

首筋に突然冷たい感触。
ボトルを後ろから当てられたと一瞬遅れて理解する。

「何するんですか先輩・・・」
「いやいや、お疲れ。」
何がいやいやだ。面白がってやってるくらいわかるというのに。
「ありがとうございます」
ボトルを受け取って飲む。走りこみの後には嬉しいけどいちいちこういう渡し方はしないでほしい、と思う。

「あっついですねー・・・・」
「もう10月なのにな、今日は真夏日だってよ」
「朝夕はもう涼しくなりつつはありますけどね」
まだ夕方とは言いづらい時間帯の日光はいまだ厳しい。
「すぐ暑さの恋しい季節になるさ」

冬が来ると夏が恋しくなる。
その逆、夏の間は冬が恋しい。
恐らく誰もが思う無い物強請りだ。

「まあ先輩は年中真夏みたいな人ですけど」
「どういう意味ソレ」
「いや、暑苦しーなと」
「あ?何だとこんにゃろ!」
「あっははー」

でも先輩がいるなら冬の間夏を待つ必要もなくなりそうだ。
寒さなんてあなたといれば忘れてしまいそうで。

なんて、言いはしないけど。





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