白竜とシュウ2 | ナノ


白竜とシュウ



僕は人を好きになったことがない。
Likeの方もそうはないけど、Loveに関しての話だ。
そして僕は今そのことに関心を寄せている。

「どうしたシュウ、教室移動だぞ。チャイムが鳴る」
「・・・・ああ、うんごめん今行くよ」

いやもちろん嫌いじゃないよ?寧ろ僕のLikeに入る稀な人だ。
ただLoveに入るかって言ったらやっぱりわからない。微妙。
そもそも僕も白竜も男だしね?僕たち二人とも大抵の女は嫌いだけどさ。
同性間の恋愛に偏見もないし、でも多分そういうレベルの話じゃない、とは思う。
遥かにそれより下だ。
身近な他人は白竜位だし、対象になるような人は彼だけだというだけで。(そもそもその考え方も随分と奇怪な気もするけど)
本気で人を好きになる気はしない。今現在興味がある、その程度だと分析する。

「白竜、好きな人っていたことある?」
「恋愛とやらに関することなら無いと言っておくぞ」
「ないんだね?」
「それに等しい」
「じゃあ君の欲望はどこに行っているのさ」

睡眠欲・食欲・性欲。
この三つは人間の最大欲だったと思う。
前者二つはともかく、最後のは何処へ。

「考えたこともないな」
「だろうね」
「そもそも俺は興味を持たない」
「・・・・・じゃ、僕は?」
冗談半分に聞くと、真顔で即答される。
「お前が唯一の興味かもしれないな」

「・・・・光栄だよ」
嬉しいじゃないか。

チャイムが鳴るまであとわずか、理科室は目前だった。





恋愛未満。






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