基緑
(基緑♀)(人魚パロ)
海の魔法使いヒロトと人間のリュウジ
薄いシャボンが水から浮き出て尚ふわりと浮いた。
もう目の前にいる彼が指をならすと、シャボンが弾ける。
落ちる、と目を瞑ると彼は見事に俺をキャッチしてゆっくりと地面に下ろした。
不思議な洞窟だ。ランプでぼんやりと明るいなか、瓶や何かの干物やおかしな類の坪。
話に聞いていた通りだ。
「君が、ヒロトか。」
「その通り。君がリュウジだね」
赤い髪、翡翠の目。ローブを羽織った、バーンやガゼルとも違う不思議な雰囲気を持った青年。
「会いたかったよ」
ずっと君の話を聞いていた。二人が君について話していることはひとつ残らず覚えているよ。
君の歌声を聞きたい。君の話を聞きたい。
俺は君のともだちになりたい。
そう言って魔法使いの彼は俺の手の甲に軽いキスを落とした。
その場所には彼の髪と似た赤い色の花のような模様が浮かんだ。
「俺のお姫様」
ファンタジーパロものは歯の浮くようなセリフやら言い回しやら使っても許される気がして好きです。
だいぶ前に書いて途中で放置してる長編の書きたいとこだけ書き抜いたバージョン。