滝→三木♀
あいつは嫌いだ。
誰よりも嫌いだ。
視界の端に誰かと話して笑い合ってるのが見えた。
私の視界に入るなと内心で毒づく。
彼女に罪はない、が。
あいつを見るとイライラする。
同じ空間にいると落ち着かない。
誰かに向ける笑顔も嫌い。
他のやつと一緒にいるあいつが嫌い。
ずっとそうだと思ってばかりいたのに。
一度天変地異の前触れかと、ほんの少し気があった瞬間が合った。
その時一度だけ見た満面の笑みに嫌悪をかけらも感じなかった。
あまつさえその笑顔が可愛いなどと思った。
そこでやっと気付いた。自分に向けられた笑顔は嫌悪でなく。
自分以外に向けられる笑顔は嫌悪。
これ即ち、
・・・・・冗談じゃない。
認めるものか。