【白金主要メンバー】 「愛しています」 「好きじゃ」 「貴方がいないと俺は生きられません」 「……儂にはお主だけが必要じゃ」 「俺だけのものになってください」 「………大好き」 「捻りが無いですね」 「構うのものか。ほれ、お主の番じゃぞ。はようやれ」 「はいはい。分かりましたよ。そうですね、では」 馴染みのふわりとした笑顔を浮かべて広げていた本を閉じた宵藍。徐に手を伸ばし、対する蒼の頬を包んだ。 「俺は、貴方の事が大好きです。可笑しな話ですが他の男の目に晒したくないと強く思ってしまうほどに」 「……」 「いっそのこと俺の腕の中に閉じ込めて、」 「ストップ、ストップ! もう無理俺が無理本当に無理!」 笑顔で口説く宵藍を止めに入ったのは二人の会話を傍で聞いていたうちの一人である煉焔。指を宵藍に突きつけて全力で拒否反応。鳥肌が酷い。 因みに煉焔の近くで同じように傍観に回っていた梓萌と紫苑、翔は苦笑。 「なんでそんな甘ったるい言葉が言えんだよ! お前どっか可笑しいって!」 「酷い言われようですね」 「ぎゃあ! ごめんなさい!」 蒼の頬を優しく触れていたその手で握りつぶさん勢いで煉焔の頭を掴む。骨が軋む音が鳴ったのは気のせいではない。 「それはそうとして、どうしてこんな事になったの?」 「事の発端は今そこで頭を押さえておる煉焔によるものじゃった」 蒼がめんどくさいという様子を隠す素振りも見せず横目で煉焔を馬鹿にするように顎で示してみせる。 「話すと長いんだけどな、宵藍と蒼は口が強いだろ? 恐ろしいくらい」 「お主は毎度毎度一言無駄じゃ」 「痛い、痛いって! ちょ、流石に水系の攻撃は勘弁して!」 「簡潔に言ってしまうと口喧嘩はどちらが強いかと言う話になったんですよ。けどただの口喧嘩じゃつまらないでしょう?」 「だから口説き文句大会になったってかー? 面白いね〜」 「ある意味宵藍くんらしいって言えば確かにらしいひねくれ方だね」 「喧嘩売っているのであれば遠慮なく買わせていただきますよ」 笑顔での口喧嘩が一番怖い。再度頭を押さえる羽目になった煉焔の感想。今度は学習したので口には出さなかった。 「この場合はどちらの勝ちになるのかのう」 嘆息するように息を吐き、女王宜しくソファーに腰掛ける蒼。苦笑しながらも紫苑はその隣に腰掛ける。 「この場合は煉焔の負けって事にしておいた方が丸く収まるわよ」 「そもそも煉焔にでしたら最初から負ける気はありませんよ」 「確かに宵藍が煉焔に負けてる姿は想像すらつかないねー」 「僕が思うに、それ以前に宵藍くんは負けるという言葉が似合わないと思うよ」 気の抜けるような笑顔の梓萌に無駄に真剣な表情をした翔の言葉に同意するように頷いてみせる紫苑。 「そうじゃ。負けた煉焔に夕飯を作らせると言うのはどうじゃ!」 「それは俺らにとっても罰ゲームになっちゃうんじゃないかな」 「僕も同意見」 「俺に対してかなり失礼だろ!」 「私も手伝うから頑張ろうね。ただちゃんとつくろうね?」 「……イエッサー」 「……結局は何時も通りですか」 真の勝者 「結局の所紫苑には皆勝てないんだよねー」 「勝とうという気さえ起きぬわ」 |