ユキメノコさんの語り。
ハッサムが助けられて更にその後二人で探検隊を組んでいたら〜。という妄想から。






――――――……‥





太陽が、眩しい。ああ、そんなのは当たり前か。

適度に暖かい陽射しを身体でいっぱいに浴びながら、私はのびをした。


太陽が眩しい。

それは勿論、身体的にも眩しいのだけれども、それ以上に私には精神的に眩しかった。


太陽が眩しいと思うのは、私が汚れ過ぎていてるから。醜く汚い私には、太陽の光は眩しすぎた。
それを理解しながらも精一杯生きている私は、なんて愚かなのだろう。最近、そう思うことがある。

それでも私が生きようとしているのは彼の為で。

為なんていうと厚かましい感じがするから決して口に出しては言わないけれど、それでも私が生きている理由は間違いなく彼の為だ。
だから私は今日も彼の為だけに笑顔を振り撒く。


「おはようございます、ハッサムさん」

「ああ、おはよう。……どうかしたのか? 浮かない顔をしているが」


心配そうな顔をして顔を覗き込んでくる彼に、私はなんでもないんです、と首をゆっくりと横に振った。
彼は少し困ったようにしながらも、私の髪をくしゃりと撫でて破顔したのだ。


「なんでもないならいいんだがな。……何かあったらすぐ拙者に言ってくれ。出来る限りの事はするから」

「……ありがとうございます」


ひたすらに、眩しい。

頷きながらも私は心の内を隠す。ひたすらに、ひたすらに隠すのだ。

それはもちろん君の笑顔を護るため。それから醜い部分の私を見せたくないから。
こんな醜い私を知ったら、絶対彼から嫌われてしまう。それだけは、それだけは避けなければ。

私の生きる意味は、彼なのだから。


私は笑う。だから私は今日も仮面を被り続けているのだ。






少女は気づかない。そのことに彼が気づいていることに。気づけずにただただ、ひたすらに。


 
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