無事、ドフラミンゴファミリーとの喧嘩に勝利した麦わらの一味一行は海軍大将藤虎の技も難なく乗り越え、バルトロメオ船で次の島、ゾウへと向かっていた。麦わらの一味に対する歓迎の声もだんだんと小さくなり、わたしは相も変わらず敵船だろうと船頭に座る船長の後ろ姿を見つけて、わたしも彼、ルフィの隣に遠慮なく座った。

「あ゛ー、おいおなまえ。ここは俺の特等席だぞ」
「ええ、いいじゃん別に。サニー号じゃあないし」
「……しししっ、それもそうだなっ」

 駄々をこねる船長に負けじと反論すれば、ルフィはいとも簡単に折れたようで、少しだけ横に移動してからにいっと眩しい笑顔を向けた。おそらく、今日の太陽よりも眩しいだろうそれにわたしの心臓が一瞬だけ大きく跳ねたのがわかった。頬も急にあつくなって、思わずわたしは体育座りをしては腕のなかに顔を埋める。

「ねね、船長。ひとつ変な質問してもいい?」
「んんー、難しい質問ならトラ男かロビンにしろよ?」
「……じゃあトラ男くんにする」
「ちょっと待った!」
「えー、やだ。だって難しい質問だもん」
「じゃあロビンにすればいいじゃねェか」
「ロビンは人気者だから暇じゃないよ」
「ト、トラ男も暇じゃねェつってたぞ!」
「本当?ううーん、じゃあ、どうしよう」
「俺が答えてやる!な!」

 立ち上がったわたしの手首を思い切り引っ張るルフィは少し慌てた様子でわたしの行く手を阻もうとする。なんだなんだ、ルフィお腹でも空いちゃったのかな。なんだか不思議な笑みにわたしはその場に座り直してから、ルフィを横目で見やる。

「……ルフィはわたしが失明しちゃったらどーする?」
「はあ?なんだソレ」
「今さっき質問に答えるって言ったじゃんか。……あの賭博の、えーと、藤虎さん見てふ、とそんなこと思ったの」

 頭の中はさっきからそればかり。失明したら藤虎のように気配だけを感じて動くことも戦うこともできないし、何にせよルフィの顔も周りの景色も見えなくなっちゃうなんて残酷すぎる、とわたしは思う。もしそんな日がきたら、わたしはサニー号を、否麦わらの一味をぬけることになるのだろうか、なんて。

「そんなの簡単じゃねェか!」
「かんたん……?」
「ああ!もしお前が失明したら、俺両目あるし、一個だけおなまえにやるよ!そしたら、見えるだろ?」

 そんな難しいことをひたすら考えていたわたしは、船長のたった一言でもやもやとしていた感情がお空に飛んでいったみたいだ。

「じゃあ、ルフィが失明したらわたしのあげるね」
「それはダメだぞおなまえ!ゾロの貰うよ俺」
「いやいやいや!?そっちのほうがダメだよ!?」
「ししし!ゾロは両目なくったって強ェぞ!」
「……ゾロが可哀想になってきたよ」
@Luffy.0626

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