犠牲者一人目 [ 3/7 ]
「橘 瞬(たちばな しゅん)。栗山中学出身。7月18日生まれ。身長190センチ。中学では園芸部所属で運動神経はそこまでよろしくない。趣味も勿論花を育てることで最近は盆栽まで手掛け始めた。ちなみに年齢=彼女いない歴」
「190が花に囲まれて微笑んでる姿なんて見たくないな」「………あの」
「「どうした?」」
「いや…なんで俺ここにいるんですか?っていうか、何で俺の情報を…」
放課後、はじめ達は物理準備室に集まっていた。しかし橘の方は放送で呼び出されて無理矢理である。妙に落ち着かなそうに眼を左右させる姿は、見た目が長身の長髪ヤンキーなためかギャップがあった
「いや、だって橘君陸上部に入るんでしょ?」「まだ決めてないよ!?」
「いいじゃねぇかよ減るもんじゃねぇし。俺のお気に入りクッションやるからよ、おっぱいの形のやつ」
「いらねぇよ!!!」笹川が机の引き出しから出したリアルなおっぱい型クッションをはじめは「爆乳かよ美乳にしとけよ」と言いながらクッションを外へ放り出す。外には野球部が体操で腕立てをしていたらしく、驚きの声と興奮した声がまじりあっていた
橘の方はわけがわからないという風で、大きな体を小さく縮めている
「私さー普段は儚き美少女演じてるけど、実は中学で陸上の監督してたんだわ」
「俺はツッコミいれないからな…って、え、監督!?」
「そうそう、んで、橘君の体系は陸上向けだと私は思ってる、いや、確信してる」
「俺も実は橘はムッツリじゃないかと確信してる」「なんでだよ!!!」はじめが野球部員の一人が持っていたクッションを窓から身を乗り出して奪えば、それを橘に投げ飛ばす。驚きつつもそれを思わず受け止める
それを見ればはじめはにっこりと笑う
「ついでに、もう他の部員候補も呼んでおいた」
「え?」
疑問もつかの間。教室のドアが開く音が聞こえる。少し遅れて後ろを見れば、そこには見知らぬ男子生徒が三人
全員真新しい制服である所から、同じ一年生なのだろう。
「呼ばれてきたんですけど………アンタ何持ってんの?」
中心にいた赤髪の青年が橘の手元を眉間にしわを寄せてみている
橘が自分の手を見えば、――そこにはおっぱい型のクッション
「橘君はなァ!おっぱいが好きなんだよ!」
「そうだソレの何処がわりぃんだよ!おっぱいには夢が詰まってんだろうがゴラァ!」
「ちょっと黙ってろよお前らァァァ!!!」
[*prev] [next#]