医鬱排悶


―ピンポーン。
私が家でまったりとした時間を過ごしていると、チャイムが鳴った。

―誰だろう?

不思議に思いつつ、ドアを開ける。

「はぁーい………っと」

カチャ、と鍵を開けてドアを開く。
ドアの向こうにいたのは、

「よぉ」
「静雄さん!」

平和島静雄さんだった。
…静雄さんが突然家に来るなんて珍しいな。

「おいおい、無用心すぎねぇか?誰かも確認せずに開けるなんてよ」
「あ、あは…。そうだね、気をつけるよ」

とりあえず上がって、と促す。
静雄さんは急に来て悪かったな、と言いながら部屋に入った。

「で、どうしたの?急に」
「ああ、いや。大した用はねぇんだけどよ。ちょっと……顔が見たくなってな」
「ふ、ふぇっ……!?な、な、な……っ!」

思わず真っ赤になってしまう。

―こっ、この人は急に何を言ってるの……!?
何その妙にリアル感のある冗談…っ!!

「…あ、あはははっ。し、静雄さんも変な冗談とか言うんだねっ!あは、ははは…」
「…笑えてねぇぞ?―てか、冗談でもねぇ」
「ふへっ………」

さっきより顔が熱くなる。
心なしか、静雄さんの顔もちょっと赤くなっていた。
えーと……私、どうすれば……?

「…えっと…、それは……あの…どういう意味……?」
「そのまんまの意味だよ。なんか、よくわかんねーけどさ、俺、お前の傍が安心するみてぇだ」
「………ッ!!」

それは事実上の、告白。
私はやっぱり何も言えなくて、それでも静雄さんの隣に行く。
おずおずと座ると、静雄さんは照れたように頭を掻いた。

「「…………」」

それは事実上の、受け入れ。
そのままもたれ合って、恥ずかしかったけど幸せな時間を過ごした。






「…静雄さん」
「あん?」
「……私のこと、…好き?」
「…………さあな」
「……私は…、……好きですよ」
「…………あ、阿呆が…っ」


fin


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