01 やってきた彼女


『さあ、今年も年が明けましたね!』

テレビで振袖を来た女の人がそう言っていた。

…新年、迎えちゃったかぁ…。
私がこの世界に来てもう、8ヶ月経つのか。
…色々あったな。

「ってか、あっちの世界で入学式迎えずにこっちで迎えちゃったけどいいのかな」

疑問しかない。
…でも、なんやかんやで年明けちゃったし。
それに臨也さんとか紀田君たちに会えたし!
悪いことではないんだよね!

それにそれに、とパカッとケータイを取り出し開ける。

「メルアド入ってんだよ〜!!」

足をバンバンと叩きながら喜びをかみしめる。

もうホンット嬉しい!
みんなの名前が、臨也さんとかの名前入ってんだよ!
帝人君とか紀田君とか杏里ちゃんとか!

――♪〜

「ん?」

ケータイから音が鳴った。
…メール…?






『 今
  か
  ら
  お
  前
  の
  と
  こ
  に
  行
  く
  か
  ら
   、
  よ
  ろ
  し
  く
  ☆ 』






「―面倒くさぁっっっ!!」

何この人、馬鹿じゃないの!?
宛名尋子だし……――って、あれ?

尋子って、この世界いないよね。
だって私が生まれ育った世界の、友達だもん。

…じゃあなんで――


――ピンポーン…


すごい。
なんかツッコミとか思考が追いつかない。
い、行くしかないのかな…?

――ピンポーン…ピンポーン…ピンポーピンポピンポピ

インターホンの押す速さぁ!
どんどん速くなってってるんだけど!

「ちょまっ…待ちなさいってば今開けるから!」

――ガチャッ

「あけおめー!」
「……」

……ええと、

「……あけおめ、尋子」


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