two十中八九


「結局土方さん説得出来なかったですよ山崎さん」
「あらら、残念だね」
「だから私の顔褒めて下さい」
「祐季ちゃん、接続詞の正しい使い方覚えて」
「山崎さんがツッコミを都合に話を逸らした!」
「いやあの……ごめん」
「イヤアアア一番傷付くやーつ!!」

これなら沖田さんの方がまだ傷は浅かったかも知れない。

「まぁそれは置いといて」
「あ、冗談とは言ってくれないんだ」

祐季ちゃん泣き寝入りすっぞ。

「ユキちゃんはどうなんだろうね、実際」
「そうですよねー。十中八九土方さんが好きだとは思うんですけど」
「俺も」
「ですよね」

ああ、山崎さんと喋ると無駄な労力使わずに済んで楽だわ。
土方さんとか銀さんとかもう面倒。

「ってか祐季ちゃん」
「はい?」
「祐季ちゃん達はその後どうなの?」
「エッ、ナニガ?」
「急に片仮名になったのは動揺の表れ?」
「や…やだもう山崎さん冷静すぎー」
「んー。祐季ちゃん達はもう付き合ってる訳だし、他人が首突っ込むことじゃないかも知れないけど、あんまり二人で話してるとこ見てないなーと思ってさ」
「やだもう山崎さん仕事しすぎー。アハハー」

アハハ。
その通りですよ。
ていうかむしろゴタゴタ解決して以来二人きりで話してねーよ。

最初はあんま気にしてなかったけど。
別に避けられてる感は無かったし。
でもなんてゆーか、ユキさんと二人で話してるところとか見ると、さぁ。
私とは二人きりになろうとしてくれないのに、とか、思っちゃうじゃん。

「うー……」
「いやいや、でもホラ、隊長ドSだし。放置プレイかもよ?」
「私ドMじゃないんですよね…」
「よく隊長を好きになれたね?」
「だって沖田さん優しいから!」
「俺にはその優しさが伝わらないよ」
「…お?山崎さんもしかして私のこと好きなんですか?奪おうとかそういう?うっそマジでウワアどうしよう」
「祐季ちゃん」
「ごめんなさい調子に乗りました」
「いや、そうじゃなくて」
「………え?」



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