一日の始まり。
昇り始めた日の光が窓から射し込む、朝。
その光が当たる一台のベッドの上、ナツは目を覚ました。


ゆらゆらとはっきりしない視界が捉えたのは見慣れた部屋の天井。
ごろんと体勢をうつ伏せに変え、まだ覚醒しきってない頭で、目で、ベッド側にある時計を見る。
短針は6を指していた。


「(…朝か、)」


上半身だけ起こし、一つふぁ、と大きく欠伸をすると、ちらりと隣をみた。
先ほどのナツと同じように眠る、黒髪の青年。
布団にくるまって、すやすやと穏やかな寝息をたて、未だ夢の中から覚めずにいる。
元々朝が苦手なこいつ…恋人のグレイは、いつも目覚めるのは遅いのだが…
…目尻には微かに涙の跡。
そういえば昨日は激しくしてしまったっけか。
夜のことを思い出して、ナツの頬が自然と緩む。
いつも喧嘩ばかりでなかなか素直じゃないどこでも脱ぐこの愛しき変態野郎。
そんな彼のナツしか知らない姿。
離れないように必死にしがみついて、たくさん名前を呼んで。

長いようで短かったあの二人きりの時間で、

幾度も「好きだ」と伝えあった。

眠るグレイの髪をそっと撫でるように触れる。
するとグレイはくすぐったそうにひくりと揺れ、甘えるようにすり寄った。
夢でも見ているのだろうか、ほんの少しだけ、笑った。
その仕草にたまらなく愛しくなって、グレイの髪に、頬に、瞼に、唇に、そっとキスを落とした。
最後に、涙の跡が残る目尻にキスすると、再び身体が揺れ、閉じていた瞼から黒曜石の瞳を覗かせた。


「…な、つ?」


寝起きのせいか、夜の行為のせいか。
少し掠れた声で、ナツの名を呼ぶ。
まだ眠いといいたげな視線で、瞳にナツの姿を映した。


「起こしちまったか?」


「…ん」


「そうか、悪ィ、グレイが可愛くてつい」


「…つい、じゃねぇよ」


っていうか可愛くねぇよ、と付け加えてグレイははぁ、と呆れたようにため息をついた。
それとは対照的にナツはにしし、と笑う。


「まだ眠いんなら、寝てていいけど」


「…ん、いや、起きる…」


「そっか、じゃあ一回だけやらせ…」


「朝から盛るな、野獣」


上に跨がろうとするナツをグレイは全力で押し返す。
まったくこいつは…ぼやきながらグレイは身体を起こすと、昨晩床に脱ぎ散らかした…正確には脱がされた服を拾い上げて身につけた。


「朝飯作るから、お前は洗濯物しとけよ、いいな?」


言い残してグレイは台所へと姿を消した。
ナツはつれねーなぁ、と拗ねた表情でベッドから起きあがった。
服の袖に腕を通しながら、洗面所に置いてある洗濯機へ向かい、
溜まった衣類やシーツをぶっこんで、終わらせると部屋へ戻る。

そして台所に立つグレイの後ろ姿を見た。

朝ご飯の匂いが漂ってくる。


いつからだろう、このような朝が日常的になったのは。

目が覚めるとグレイがいて、グレイの声や匂いが近くて、一日が終わるその時まで、共にいる。

別の物事をしてるその後ろ姿さえ愛おしい。


飛びつきたくなって、その欲求を抑え込むように、ナツは声を絞り出した。


「グレイ」


「ん?何、ナツ」


ふと名前を呼ばれて、振り返るグレイ。
グレイの瞳を、ナツは真っ直ぐ見つめた。


「…おはよう」


いつもの笑顔で。

数秒、きょとんとしたまま固まったグレイだが、
ナツの笑顔に誘われるように微笑んだ。


「あぁ、おはよ」




さぁ、今日も一日が始まる。






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久しぶりのナツグレ小説でした!短っ
いやー意味が分からないヽ(^0^)ノ

とりあえず、朝からこいつらはいちゃついてるよってことを言いたかったんだ…
だってどうせ夜から一緒にいるんだろうがよ…!と。

グレイさまのごはん食べたいな…ナツさんいいなぁ…ジュルリ

グレイさまが見てる夢にナツさんが出てきてると私は信じる。


もっと修行して書けたらな、と思います。下手くそだけど。
読んでいただきありがとございました!