もうね、びっくりするよね。真っ白な巨人に会えば。それも、紙面でみたことたある人物なら。ねえ、誰だってびっくりするよね??
 向こうは向こうで驚いているみたいだ。私の名前を口にしたところを見れば私がいた時間枠の四部の承太郎なのか。
「………」
「………」
「本当に♪♪……お前なのか」
「え、アッハイ」
 じっくり観察されて居心地悪いったらない。
「……俺はアメリカにいたはずだったんだが、死んだと思った♪♪が日本と思える場所にいるとは……。いつの間にスタンド攻撃を受けたのか?」
「そうなんだ。災難だったね。じゃあ私はこれで」
 回れ右を華麗に決め駆けだそうとした私の右手を掴み行動不能になってしまう。
「待ってくれないか? 俺は状況がイマイチ把握しきれていない。説明出来るならお願いしたい」
 四部の承太郎らしく粗暴な言動ではなくなったが、私は直ぐに頭にきてその掴んだ手を思いっきり振り払った。
「言っておくけど、私はアンタが無理やりあの旅に付き合わされたこと今だって腹立たしいと思ってんだ!! 何が説明してくれ!? 私に関係ないよね?」
『スタープラチナ!』
「あ、説明ね!説明……。ここは別の漫画の世界です」
 すみません。最強のスタープラチナを引っ込めてくれませんか? 私のなけなしの憤怒は一瞬で萎んだ。

 
 
 
 
 
 
───
 
 
 
 
 
 
 
 大まかな説明で頭の良い承太郎は直ぐに理解し、自分の状況確認を行った。そしたら、なんと、きちんとここで戸籍もあり、東都大学教授という立場が確立されていた。
「理不尽だ!!」
 叫! ばずにはいられないッ!
 あんまりだ。自分はこの身一つでこの世界にやってきたというのに、奴は! きちんとこの世界でも存在していたなんて……。この差は何!?
 地面に伏し嘆いている私を起こしたのはこの事実にたたき落とした承太郎である。
「とりあえず移動しよう」
「ちょっと、なんで私も一緒に!?」
 もう少し地面の感触を味わっておきたい……てのはだが、これ以上承太郎と一緒に居たくない。
「この世界の描かれた漫画を詳しく聞きたい。しかも、ちょうど俺がこの近くの賃貸マンションを借りているらしい。そこで話を聞こう」
 賃貸契約書類を見せ付けられても。
「ちょっと、待ってもらえる? 私今17才ですよ。未成年者を28才の男の家に連れ込むというのは事案ですよ?」
「年齢まで知っているのか? だが、俺とお前の仲だろ? 気にすることじゃあない」
 ほんとにこいつは承太郎か? こんな軽口言う男じゃないだろう、お前。
 そして、悲しきかな。私は承太郎に連れられて借りているマンションの一室でこれまでの身上話しを洗い浚い吐かされた。コナン(漫画)のことは聞いてこなかっから、一応説明はさせてもらう。スタンドなんて超能力はこの世界ではないからね。一応ここは釘をさしとくよ。まあ、17才の頃と違ってすっかり大人になっているしそこまで気にしなくてもいいけどな!
「……♪♪」
 日本人の持っていない美しいグリーンの瞳が見詰め続けていたことに漸く気付いた。
「俺は……、ジジィを庇って倒れたお前を見てから……。俺は、ずっと後悔していた」
 ほんと、17才の時に見てきていた承太郎との違いばかり目につく。いつも自信に満ち溢れていた彼がこんな言い淀むなどど、10年っていうのは人を変えるには十分だったらしい。
「俺自身が許せなかった。俺は、お前を最後まで疑っていたことに」
 それは、知っていた。ジョジョの原作を覚えていた私はクルセダーズの中でも異質で自分の身を守ることだけに徹したために敵と内通しているのではないかと疑われていたのは。けれど、仲を取り繕うこともせず、スタンドが見えるという理由だけで旅に道連れにされた怒りを態度に出していた。
「お前はあの時、ここへ来なければ死んでいた。確実にあの時、あの世界でお前は死んだ。俺がお前をそうさせた」
「確かに、私は承太郎を恨んでいた」
 承太郎の表情は暗い。
「けれど、……なんか、今は別にそこまで思っていない」
「……お前はここで生き残ってくれたが、正直恨んでもらったままで構わない」
 なんだよ、私がもう恨んでないっていってんのに。
「じゃあ、はっきり言わせてもらうけど。私はあのDIOの館の前で別々に分かれてしまった時、逃げようとも考えた」
「……ああ。お前はそういうやつだ。それに、好き好んで危ない旅についてくること事態おかしい。けれど、俺はそれを責めていた。母親の命ばかり気を取られ、自分勝手な気持ちがおかしいことに目を濁らせていた」
「あのね、17才なんてまだまだ子供なんだし、それが当たり前…」
「それだ! 俺はそういうお前の言動や態度にただムカついていた」
 それは、仕方ないだろう。もう、転生というものを果たしてあの世界に生まれたのだから、例え同級生といえど精神年齢は違う。それを頭にこられても私にはどうすることもない。 
「あの館でヴァニラ・アイスというスタンド使いと対峙しお前は左手を失いスタンドが発現させた。スタンドが見えるというのも実はそれ事態スタンド能力でお前のその先読みの能力と勘違いしていた」
「そうだよね。怪しく見えるよね」
「そして、俺たちのこの旅を知っていたと話してくれた。この先に待ち構える道。DIOのスタンドの能力。そして、俺が同じの能力だと」
 うん。あの時、左手を失い、私はパニック状態だった。これが一番の後悔だと思っている。別に、話さなくても良かったのに、ベラベラと止まらないほどに発狂していたと思う。自棄とも言う。あれで、私はなんかスイッチ入ってたんだと。だって、あのDIOだよ? 時止め出来るし人間なんて餌としか思ってない吸血鬼の前に普通の精神状態なら出て行かないよ。例えジョセフが襲われると知っていても裸足で逃げ出す。だから、私はこの世界へやってきた時にもう、あんな間違いは犯さないと誓った。
「俺はお前を亡くして初めて知った」
 ん?
「俺は拗ねていただけなんだと。何も語らないお前に」
「は?」
「♪♪を気にしていたらしい」
「アカーーーーン!」
 思わず頭を抱えた。それ違う。多大な勘違い!! それ、私が死んだからなんか美化された思い出になってるんだよ!
「そうだな。最低野郎だと自覚している。殺させてしまってから気付くなんてな」
「いや! 違う! そうじゃない!」
「♪♪」
 グワシと、擬音がつくくらい右手手首を掴まれ思わずザ・ワールドを出しその手を外そうとすれば向こうはスタープラチナでザ・ワールドを掴んだ。何だコレ。とりあえず、直接掴まれて痛いし、スタープラチナでザ・ワールドを通して痛い。
「なるほどな。あの時DIOのスタンドは現れずにいたのはお前が奪ったってことか」
「とりあえず、この手離してくれない?」
 素直に離してくれて安心した。さすがに195pの大柄の男に見合い力が強い。手首が圧迫され血が通ってなかったよ。どんだけ力入れてんだよ。私の大事な右手を!!
「お前のスタンド能力のお陰でDIOとは直ぐ決着が着いたぜ」
「へぇ。良かったね」
 スタンドが出なくて承太郎にフルボッコされた終わりなんだ。なんか、哀れだな、DIO。
「お前が居なけりゃ、俺たちはアヴドゥルと花京院とイギーを死なずに済んだ。お前が命を挺して守ってくれた命だ」
「それだよ! それ! あのね、結果論だよ、そんなもん!! 私は別に助けたいとも思っていなかったし!」
「フッ。ああ、お前ならそういうだろう。だが、お前はジョセフを庇った。咄嗟に出る行動が実はその人間の本質が色濃くでる。つまり、そういうこどだ」
「〜〜〜〜〜だァかァらァ!」
「その天邪鬼のところもな」
「………」
 駄目だ。人の死がこうも人を狂わずのか。何を言ってもねじ伏せられるんだが。


 
 
 
 
 
 
 
まあ、補足というかんじで。トリップ主はジョジョでは結構厳しい精神環境でしたね。
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