※トイレでいたしてます。ソロプレイです。
嫌な予感がした人は、回れ右。
徹夜と発散と後悔
マフィアというものに属するようになってから、俺の周りはめまぐるしく移り変わる。
そんななか、一つのファミリーを殲滅した。
少し前から怪しい動きを繰り返していて、調べた限りでは薬に強盗、誘拐、酒、賭博などなど。たたけば埃だらけだったわけで…。
そして、そのたたいた分落ちてきた埃が、今まさに俺の不眠の元凶になっていた。
「十代目、判子の場所違います。こっちに」
「ああ…ごめん」
大量に処理しなければならない書類が山のように俺の机を占領していた。
もちろん、隼人や山本、雲雀さんの机も同じようになっている。
ここの部屋では書類を主に片づけていて、もう一つの広間は今現在別のお客さんたちに占領されているのだ。
そちらには、骸とハルや京子ちゃん、ビアンキにリボーンといった面々があてがわれている。
ちなみに、ランボとお兄さんには外へと走ってもらっているところだ。
叩いて出た埃、それは、麻薬や酒だけではなかった。
誘拐されてきた大量の子供たちもいたのだ。誘拐されてきた子は親元に帰し、売られてきた子や拾われてきた子は施設に預ける手はずを整えていた。
連れてきた子供はざっと五十人以上にも上っていて、どうしてこんなにも集めたのかと聞きたいがその当事者はもういない。
「実験施設も未完成だけどあったし…何したかったんだろ…」
「綱吉、憶測はいいから手を動かしなよ」
「はいっ」
考え事をしていたら、チクチクと雲雀さんの言葉が刺さる。
俺はあわてて止まっていた手を動かすが、大量のさばききれない書類を前にめまいがする。
この生活が始まったのはいつからだったか…。
一刻も早くさばかなくてはいけないので寝る間も惜しんでいる状況だ。
実際俺は、もう徹夜三日目あたりだ。
意識ももうろうとして来てカクリと頭が落ち、机に額を打ち付けて目を覚ます。
何度繰り返したことか…。
「いってぇ…」
でも、少しでも早く普通の生活に戻してやらないと、子供は感覚が研ぎ澄まされているから敏感だ。
非日常にいればいるほど、狂ってしまう。
そこに骸を放り込むのは若干ためらわれたが、人手が足りないので、嫌がるのをなんとか説得して入ってもらった。
「あ、ここ…性格とかも書かなくちゃならないのか…」
意外と面倒だなと俺は子供たちの方へ顔をのぞかせることにした。
必死で書類と向き合っている仲間にちょっと外に行ってくると一言残し部屋を出る。
広間へと向かえば、子供の声が聞こえてはしゃいでいるらしい。
骸の幻覚で少し部屋も子供部屋らしくしているから子供たちのストレスも減るだろう。
俺はそっと部屋のドアを開けて顔をのぞかせた。
「あ、ツナくん」
「京子ちゃん、ごめんね。子供たちの相手させちゃって」
「ううん、すごく楽しいから全然平気だよ」
京子ちゃんとハルには急遽日本から来てもらった。もちろん、飛行機代その他もろもろ旅費もこちらが負担させてもらった。
こんなに大勢の子供を一週間近く相手してもらっているのだ。
終わったあと観光でもしてもらってもおつりがくる。
「ハルも、ありがとな」
「はひっ、どういたしましてっ。それより、ツナさんの方が心配ですよ、隈がすごいことになってます」
「へ?そうかな…気づかなかった…」
「徹夜してるの?」
「…うーん、ちょっとだけ…うわ」
京子ちゃんに痛いところを突かれて苦笑を浮かべるが、いきなり俺の腕を掴んできた人がいてびっくりする。
そちらを見れば、リボーンだった。
「リボーン」
「お前は四徹目だ、いい加減ねろ」
「ちょ、待てってばっ」
「ツナくんはちゃんと休んで」
「こちらは、私たちに任せてくださいっ」
京子ちゃんはにっこりと笑って、ハルは大きく胸をたたいて見せた。
それに俺は安堵して、リボーンに連れて行かれるまま歩いていくと自分の部屋についていた。
久しく入っていない部屋を開けると夏だというのに少しひんやりとしていて、外は夜だったらしく真っ暗だった。
電気がつけられ、一直線に寝室へと向かう足に俺は無理矢理足を止めた。
「なんだ?抵抗する気か?」
「違うって、眠いけど…トイレ」
自室にいるというだけで安心するのか、眠気が一気に襲ってきて動きが鈍くなるが、先に用を足したいと訴えると、じゃあ入ってこい、と手を離された。
「連れてって」
「は?」
「だって、もう眠くて」
一人で立つのもやっとなんだと崩れそうになる身体をリボーンの手を掴んで耐える。
「仕方ねぇな」
リボーンは嫌がるそぶりを見せることもせず俺の手を引いてトイレに入っていく。
つらいのだが、用を足すのをみられるというのは少し恥ずかしいことに気づく。
結構頭が朦朧として来ていてそんなことまで気になることもないかと思ったのだが、立派に羞恥心はあるらしい。
「んー、ん…やっぱ、やだ」
「あばれんな、今さらだろ」
「じゃあ、目閉じてて」
「わかった、だからおとなしく俺につかまっておけ」
腰を支えられてズボンを下げられて、下肢が外気へと触れる。
ぶるりと身震いするが、リボーンは気にした風もなく俺のそれを掴んで便器に照準を定めている。
「んぅ、やだよぉ…りぼーん」
「気にするな、目閉じててやってるだろ」
「わかんない」
なかなか出さない俺に焦れたのかくにくにといじられて変なもやもやとしたものが浮かんでくる。
リボーンに後ろから支えられているから目を閉じているかもわからないしリボーンのことだ、信用できないけれど…。
けれど、腹部を指先で撫でられて押されるとひとたまりもなかった。
たまっていたものを便器に吐き出して、その間俺は必死にリボーンの腕を掴んでいた。
見られていると思うだけで羞恥に顔が赤く染まる。
長いそれが終わると、一気に弛緩してしまい、座り込みそうになるのをリボーンの腕が支えてくれた。
「ったく、今度はこっちか?」
「やぁっ、あっ…さわっちゃ…」
「見られて勃てるとか、変態か?」
ん?と耳元でいじめられて、身体をよじる。
俺はすっかりとそこを勃起させていて、恥ずかしさでどうにかなりそうだった。
けれど、リボーンは俺の自身を握ると扱く動きを繰り返し始める。
「んっんっ…やだ…やだぁやっ、しないで…ぇ」
「イけば寝やすいだろうが」
「こんなとこで、さっきの流れでこうなってんのが…いやなんだよぉ」
ばかりぼーん、と抵抗でない抵抗をしながら言ってみるが効果はない。
ますます扱く手が早まって、このままではこのまま吐き出してしまう。
「やだって、ばぁ…おれ、リボーンのほしい」
「…お前」
「だって、してないし…俺、これでも我慢してるし…疲れたし、眠いし」
ふぁ、とあくびをしてしまいながらもリボーンを入れてほしい気持ちは変わらない。
だって、こんなにも頑張って、仕事して、こんな風にほしい気持ちを押し付けているというのに、リボーンは身勝手にもこうして一方的に俺に快楽だけをくれようとする。
「リボーンの、奥にはめてっ…」
「それは無理だ、今日は寝ろ…ツナ」
ちゅっと額にキスをされて、後ろに指を入れられた。
「ひぁっ、あぁ…はふっ、うあっ…イ、くぅ」
駄々をこねるように涙があふれ、俺は白濁を放っていた。
そして、ゆっくりと意識が遠のいていく。
自身を拭かれて水が流される音を聞きながら、俺は夢に落ちていた。
目が覚めるといやに頭がすっきりとしていて、昨日までのダルだが何もなかった。
俺はぼーっと天井を眺めていたが、隣に視線を移せばリボーンが寝ていた。
そうして、昨日のことがゆっくりと記憶としてよみがえってくる。
「う、わ…あぁー」
なんてことをしていたんだと俺は自分の顔を覆った。
穴があったら入りたい。
トイレにつき合わせるとか、なんだそれ。
バカか、ばかだ…俺のばかぁっ。
「もうだめだ、死にそう」
「ったく、朝からなんだ」
「いや、なんでもない」
「うるせぇ、俺だって寝てないんだぞ。静かにしてろ」
無理やりベッドに押し込められて俺は強制的に寝かされた。
「いや、寝てないって俺も寝てなかったし。俺仕事途中にしてきたから戻る」
「だめだ、ここにいろ」
「はぁ?いつもは仕事しろってうるさいくせに」
「いいだろ、お前は働きすぎだ。あとで一緒に怒られてやるから」
「いや、それないよ。俺は怒られるかもしれないけど、リボーンはいつも眺めてる側じゃん」
どうせ今日も怒られるのは俺だ、とそう思ってしまえばベッドからすぐに出ようが一時間後に出ようか結果は同じ。
だとしたら、少しぐらいは寝ててもいいかなと、思ってしまうのだ。
それに、この状態ではベッドから出るのにまた体力を使ってしまう。
「仕方ないやつ」
俺のことなど知らず眠ってしまったリボーンに笑って、ちゅっと額にキスをするとリボーンの腕をとり、手を握った。
ひとまず、子供たちの施設探しは一時休憩だ。
リボーンが起きたら二人で朝風呂でも入ろうと決めながら、再び襲ってくる睡魔に身をゆだねていた。
END