第4譜
今、輪【サーカス】は街の人々に怖い思いさせたお詫びとして、ショーを開催する準備に追われていた
そして、名前はイヴァに髪を結ってもらっているところだ
「……これこうし……って、と…よし、もう良いわよ名前」
そう言うとイヴァは、名前の前に鏡を置いた
『わぁ!綺麗にできてる!!ありがと、イヴァ』
今日の名前の髪型は、一部を編み込みし、残った髪に軽くパーマをあて、衣装に合わせて大人っぽい髪飾りをつけている
「今日は何をするの?」
『ツクモと一緒に軽業するの』
「じゃあ見にいけないわね…残念。あっそろそろ行かなきゃ、頑張ってね」
『うん、ありがとね』
イヴァは、長い髪を揺らしながら名前の部屋を出て行った
『今日も頑張ろうね、ツクモ』
「えぇ、よろしくね」
そう言うと二人は微笑み合い、華やかなステージに向かって歩き出した
ドッと観客から歓声が上がる
二人での空中ブランコを終え、一旦舞台裏に戻る
すると、治安部の男性が報告をしにきていた
「見つけ次第連絡とのご通達がありました指名手配中の少年を発見したのですがっ申し訳ありません、見失いましてっ」
『(指名手配の少年……って无くん?!)』
報告を受けると、ツクモがすぐに平門に連絡する
「私に行かせて、平門」
〈お前はまだ舞台中だろ。街の人に楽しんで頂け〉
『じゃあ、私が行くよ。これで出番は終わりだし。平門、場所はどこ?』
〈N11区だが……〉
『じゃあ、行ってきます』
そう言うと、名前は平門の返事を聞かずに出て行った
『无くん………!』
少しでも早く行くため、飛んで行く名前
だが、街の人々は輪【サーカス】に夢中で名前には気づかない
N11区に着くと、見覚えのある金髪の男が見えた
『與儀……?』
名前が呼びかけると、與儀と呼ばれた男が勢い良く振り向く
「あぁ〜!!名前ちゃん!」
名前の思ったとおり、輪【サーカス】第貮號艇闘員の與儀だった
『與儀どうしてここに?』
「平門サンがこの二人を連れて来いっていうからさ」
そう言って、與儀が体をずらす
與儀の後ろから出てきたのは……
『无くん!!』
「名前!!」
「………名前、だと?!」
ミネの屋敷で出会った无と花礫だった
嬉しいのか、无が名前に抱きつく
ただ、花礫は立てないのかうつ伏せ状態だ
「あれ、名前ちゃん知り合い?」
『まあ…ちょっとね。それより、輪【サーカス】の艇はもう来てるの?』
「うん、ほら上見てごらん」
與儀に言われて名前が見上げると、輪【サーカス】の巨大な艇が浮かんでいた
「輪【サーカス】の艇へいらっしゃ〜い!」
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