「ゲフゴフッ!」

あー、喉痛い。これ完全風邪っぽい。鼻はむずむずするし、喉はいがいがするし、体中熱持って汗ばむし。んーどうしよ、めんどくさいなぁ学校。休んじゃおうか。月曜日の朝、ベッドの上で熱が篭った布団を蹴飛ばし、ごろごろしながら考える。普段からわたし、めんどくさかったらちょくちょく休んだりしてるからそろそろ単位ヤバいかも。だってさ、月曜日ってなんだか体が重い。だから、月一くらいで月曜日は休んでしまう。だから、クラスメイトのラビからは「月曜日は名前の定休日」とまで言われてしまう。
てなわけで、土日は散々寝坊してたから、今日だっていつも家出る時間まで10分だしなぁ。よし、潔く今日は休もう!よっしゃ、そうと決まれば、体もダルいことだし……寝る!










ブーッ、ブーッ


マナーモードに設定してあった携帯がメールの受信を知らせるけたたましい音で目を覚ました。
未だに重い体を起こして携帯を開くと、「受信メール一件」の文字。





10/12/03 10:19
from:パッツン
sub:死んでんのか
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本文はありません

-END-

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出たー。そろそろ来る頃じゃないかと思ったんだよ畜生。「本文はありません」って…。用件を本文じゃなくて件名に入力する癖は相変わらずだ。まあ、大方クラスにあたしが居なかったからあたしが遅刻したとでも思ってるんだと思う。




10/12/03 10:20
to:パッツン
sub:死んでんのかRE:
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死んでる(笑)

-END-

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ムカついたから、ソッコーで返信を打ってソッコーで送り返す。
しかし、敵も手強く、ものの30秒で私の携帯は再びメールの受信を知らせた。



10/12/03 10:20
from:パッツン
sub:死ね
------------------

死んでたらメール打
てるわけねェだろ。
馬鹿か

-END-

------------------


そういえば神田はこういうヤツだった、うん。


101203 10:22
to:パッツン
sub:お前がな
------------------
てか、いま授業中
じゃないの?

-END-
-----------------


ブーッブーッ
ぱか、


10/12/03 10:20
from:パッツン
sub:万年赤点が
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お前こそ授業中じゃ
ねェのかよ。携帯見
つかったら成績落ち
るぞ

-END-

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いよいよ話の内容が掴めなくなってきた。え、だって神田は私が休みだと思ってメールしてきたんじゃないの?事実を確認しようと、再びメールを打ちはじめるが…やめた。変わりに待受画面にもどって数字キーを打つ。


プルルプルルプルルプルルプルルプルルプルルプルルプルルプルルプルルプルルプツッ、

『もしもし』

「居留守つかおうとしただろ」

わたしが電話をかけたのは他でもないパッツン。しかもわたしからと分かっているくせに居留守を装い、12コール目でやっと出やがった。

『何だよ』

「まあいいわ。で、パッツン今どこ?」

『家』

「はあ?私も家なんだけど」

『……はあ?学校は?』

「はあ?はこっちだっつーの。風邪だから休んだ」

『俺も』

「ああ、納得」

『風邪、大丈夫なのか?』

「…は?あ、まぁ…」

え、どうした。あのパッツンが…神田が私の心配?どういう風の吹きまわし?不覚にも一瞬、ドキッとしてしまった。落ち着けー、落ち着けーわたし。

「神田は?」

『熱がある』

「何度?」

『39度…ゴホッ、』

「ちょ、大丈夫?結構熱あんじゃんっ…」

『だいじょぶ、だ、そろそろ切るぞ』

「え、うん…ちゃんと蕎麦じゃないものも食べなきゃ駄目だよ?」

『わかってる』

「うん、じゃあね…?」

『ああ、』

すっかり意気消沈した声で電話を切ったあと、虚しく「ツー、ツー」という音だけが耳に残る。あーあ、なんか今日の私おかしい。まだ神田と喋ってたいなぁ…なんて思ってるし。多分、風邪のせいだと思う。ほら、風邪のときって人肌恋しくなるって言うし。よし、そうと決まれば早く寝て治さなきゃ。


そう決心して、ばふっとベッドに身を預けたそのとき。



ブー、ブー



再びメールの受信を知らせる音。なんだよー、今寝ようとしてたのに。






10/12/03 10:36
from:パッツン
sub:無題
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好きだ

-END-

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 界
  も
 止

 る
  恋
 に

 れ
  !

(きっと神田も人肌が恋しくなっただけだ、うん、そうに決まってる)



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ごめんなさいごめんなさい。熱でちょっと頭がおかしくなった神田。でも、ちゃんとヒロインのことは好きです。

20101205

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