色々な君は




色々すっ飛ばしてマルスの正体がなんと未来から来た私たちの娘だったーー!!?ナンダッテー!!じゃあ仲間にして未来から来た他の子供たちも回収しなきゃね!!

この会話いつ見てもとてもイーリス国民寛容すぎるだろ。あっ今回はサーリャさんとかもいるか。
この世界の人寛容すぎるだろ、に訂正しておこう。


「信じられらない話だが…信じるしかない。ルキナが持っている剣………これはやはりファルシオンだ、かつて初代イーリス聖王が邪竜ギムレーとの戦いで使ったとされる剣…俺の持つ剣と同じだ」

「ルキナさん……貴方は……」

「はい……未来から来た……貴女の……娘です。ルフレ、さん」

ここは、あれか。前代妻さんたちが言ったセリフを言わなきゃいけないのか?覚えているよ。もちろん。あんなに何回も聞いたし聞かされたし見せつけられたから(二回目以降からは何の感情もありませんでしたが)

言え、言うんだ。今はこの娘の母親だろ私。
覚悟を決めて、口を開いた。

「そうですか…私たちの娘は、こんなにも立派に、美しく育つのですね」

「ルフレさん……」

「私のこともお母様、と呼んでもいいんですよ?」

まさかこのセリフを私が言うことになるとは、
確かこの後は泣きそうなルキナさんが少し躊躇って、お母様っていうシーンが……


「……っお母様!!」

「ルキ……ぐふぉっ!!」

「ああっ本当にご無事でよかったですお母様……!」

躊躇ってねぇじゃないか!!?なんだ!!?今回はマザコンもこじらせたか!!?いや前世達から大概だったわ!

タックルされたお腹を押さえて起き上がる。ウッ!!吐きそう!物理的な意味でも精神的な意味でも

「はい……お母様ですよー……なんだか不思議な気分ですね……」

「お母様ぁ……っ」

「う、うん。分かったから離してね、ルキナ」

やたら懐っこいな。何でだ?今まででは借りてきた猫のように……ああそうか今回目の前にいるのは、娘だからか

…………うん、可愛い、娘のはずだ。うん。
不思議と吐き気がこみ上げてくるが可愛い、娘なのだ。


「うっぷ……」

「お母様……!まさか……悪阻ですか!?」

「君のお父様はそこまでハッスルじゃないかなー」

進軍中なのに2人目作ったとか笑えない冗談はよせ。
おっと二人目作ってた元奥様達に喧嘩売ってるわけじゃないんですよ。

「……これからよろしくお願いしますね、ルキナ」

「はい!!お母様の為なら屍兵の1人や2人、はたまた何千だろうとなぎ倒して見せます!!」


おっと誰だこのゴリラ思考の愛が重いルキナさんは

……確実に私の血が受け継がれてるじゃあないか、遺伝怖い。



◆◇◆




「お母様見てくださいこれ…!」

「あらルキナさ……ルキナ。どうしたの?」

やたら好感度完凸したルキナさんは借りてきた猫→懐いた子犬並の変化を遂げ私の回りをくるくるくるくる動き回る。止めてくれ吐き気が、ウッ

「町で素敵なお洋服を見つけたんです!お母様にもお似合いになると思って……買ってきました!」

「服……ですか?」

確かに、嬉しいプレゼントではある。前にも言ったが戦争中は女っ気が無くなる。香水がせめてもの女としての嗜みとなっているくらいだ。娘、のルキナさんは笑顔で私に包装された袋を渡した。
なんの疑問もなく受け取ると、「中身を見てみてください!」と急かされたので特に急ぎの仕事もない為その場で開封した。

「……………………ルキナ、これは……」

「すごくお洒落でしょう?布一面にエメリナさんのお顔が描かれているんですよ。これを着ればきっとお父様もメロメロになっちゃいますよ」




「この服を見てメロメロになったらお別れを考えますね………」

「?、何か言いましたか?」

ヤベェよガチだこの子。親の顔が見てみたい位センスがあ〜ーーっ!私の子かーーー!!
助けて、今はいないアズールさん。貴方の爪の垢を煎じて飲ませて下さい。

握りしめたエメリナTシャツを前に吐き気ではなく頭が痛くなってきた。

【悲報】うちの子がセンスない

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