色々な君は



それから、それから?たくさんそれから

いろんな"君"と会った逢った有った。でもどの世界でも結局ハッピーエンドとは程遠い。何でだろうか?どこで間違えたのだろうか?


ヘンリーさんを父親にもつは、私の拘束に耐えきれなくて、私を殺そうとした

ウェイグさんを父親にもつも私を裏切って別の子と結ばれた

ガイアさんを父親にもつやその仲間は私の存在を、邪竜を否定した





もみんな、みんなして私を、最後まで結ばれることは一度もなかった。

あの時、最初に恋人になったのはもはや夢何じゃないかな、とか思い始めたある時、ある周回ある次元、ある時間ある日、ある曜日ある年月、

彼そのものがいない世界があった。



「おり、ヴぃえ、さんがいない……?」

「何度言わせるんだい?この軍にそんな名前の女はいないよ」


フラヴィア様の言葉は重く、私の心を抉った。


どうやらナーガはどうあがいても私をハッピーエンドにする気は無いらしい。
ならばもう生きる意味は無いんじゃないか?だって「意味」そのものがもうこの世界にはいないんだもの。


でもどうせ、死んでもまた繰り返すのでしょうね?


そうですね。ええそうです。
終わりがない果てがない。見えない。遠い。と言うか果てなど存在するのだろうか?
なんかもう全てがどうでも良くなって自身の首へ剣を向けた時、相変わらず無神経な男が私の部屋に入ってきた。


「……タイミングいいのか悪いのか……」

「?取り込み中だったか?」

「……いえ、大丈夫です。要件は何でしょうか?」

とりあえずこの聖王を適当にかわしてその後に死ねばいいだろう。そんなこと思ってたいたらとんでもない、ことを言われた。


「ルフレ、おれと……付き合ってくれ」

「は」

「お前が好きなんだ」










「え?」

クロムさんが、私の手を取った。
真剣な目をしてる。なんで、なんで今更。遅いよ遅すぎるよ。なんであの時、わたしの、あの時に言ってくれなかったの?

「ルフレ……返事を聞かせてくれないか?」


「くろ……ムさん、……」

私この後死ぬんですけどいいんですか?そうだ。どうせ死ぬのだ。じゃあこれは戯れだ。
だってもう生きる意味が無いんだもの。それと私がまだ「この人」への恋心があるか、試したかっただけだ。


だから私は



「は、い……私も……好き(でした)」





◆◇◆




結論から言おう。
吐きました。ええそりゃもう。
結婚式で吐き、初夜で吐き、娘が生まれて吐き、もう散々だった。

結論から言うと「生理的に無理」になっていた。そもそもがアズールさんへの裏切りとも取れる行為だから当然か。

そもそも彼が結婚する相手は限られていたはずだ。
スミアさん、マリアベルさん、ソワレさん、村娘の四択。最後はなんだそれって何度か思ったけど婚約者の運命を変える(笑)ことは出来ないらしい聖王はいつもこの4人の誰かとくっついていた。
そこにティアモさんを加えてやれと何度か思ったがセレナさんが苦手なので何も言わなかった。それほどまでに頑なだった聖王が、まさかの

よりによって私とくっつくなんて、なんだかおかしいなぁ、他人事のように腕に抱えたルキナさんを見てて思った。

「貴女は誰とくっついてもルキナさん何ですねぇ」

「あ、ーぶ、」

初めて腹を痛めて産んだ娘なのに、不思議と可愛いとは思えなかった。


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