青色の君と



見馴れた空からの景色。
バタバタと風に煽られ激しく動くコート。
剣を構えて見据える【私】

何度も見なれて
やり慣れてしまって、
繰り返したこの場所この状況。

ひとつ違うのは私の左手には青い宝石の埋め込まれたリングが輝いていた事だろうか。





「いやーまさか父さんだけでなくおじいちゃんおばあちゃんまで出来るなんて!やったね母さん家族が増えるよ!」

「ちょっと黙っててくださいマーク」



「で、ででではルフレさんはもう一人のお母様ではなくいいいいい妹に????」

「混乱しながらファルシオンを構えるのは止めてルキナ!!」

「手伝うぞルキナ」

「父さんまで!!?」




「ええ、ええ。マークの存在の地点で分かっていました。いましたが……それとこれは問題が別です。ええ!!!!軍の女性達だけでは飽き足らず、……ルフレ……、ルフレさんに手を出すとは……!!手が速いんですよこのスケコマシ弟ォオオオォ!!」

「うわぁぁぁぁぁぁ!!?」




「なんだか不思議な気分ですがルフレさんが家族になるんですよね?」

「ざっくりと……いうと…?…そうなのかもしれないです」

「そしてオリヴィエさんはルキナさんのお義母さんという事になりますね」

「は?」

「はははっ」

「ちょっと待て……まさか……ルキナまで……?」

「いやーおじいちゃん兼お義父さんになっちゃいますねクロムさん」

「おっ、お父様誤解です!!!!」


「認めん!!俺はそんな運命認めないぞ!!!!」









この幸せが永遠に続けばいいのに、そんな事を思っていたなぁ。私は目の前の邪竜へ、剣を構え直した。


激しい攻防の末、邪竜は今まさに息絶えようとしている。

「ギムレーは力を失った……今が好機だ!ルフレ、俺に任せろ!俺が奴を倒す!!」




そう言ってクロムさんが一歩前に出る。ここまではいつもの,見慣れてしまったストーリーだ。


…………本当に、クロムに任せてもいいのか?そうすれば今の幸せはずっと続く。それが期限付きの仮初だとしてもだ。
逆に自分で止めを刺してしまったら、また、繰り返すのかもしれない。もう戻れないかもしれない。私はこの世界を手放してもいいのか?今まで助けられなかった救えた命もあるこの世界を?アズールさんが私を認めてくれたこの場所を?

一歩、また一歩とファルシオンを持った彼が私の元に近づいてくる。

このまま、だと、邪竜である"私"を彼に殺させれる……否、封印される。いいの?本当に?

私は………………



[クロムに任せる?]

はい

いいえ



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